【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第10章 砂の王国での出会い
「その女1人で入って来たのは確認済みだ!ホントにお前の女なのか?本当にお前の女ならお前も大概だな、女を1人にさせとくとはな。」
男は納得いかないのかレインにくってかかる。
「おい、姉ちゃんよ~そんな男やめて俺んとこ来いよ!そんな男より善くしてやるぜ?」
酒が入っているせいか卑猥に聞こえるセリフを言いながら男はなおもレインとミスティに絡んでくる。
「…そうか。」
そうレインの呟きをミスティの耳が捉えた瞬間、レインは男の腕を捕まえていた左手に力を入れ男をいなし、ミスティの顔を自分に向けると大衆の前で口付けた。
『んっ……んふっ…』
何度も角度を変え交わされる濃厚な口付けに周囲は驚いた。
あるものはポカーンと口を開け、あるものは真っ赤な顔をし、あるものは羨ましそうに2人の情事に見入っていた。
最初は驚いたミスティだったが、与えられる口付けが甘く気持ち良いと感じ与えられる快感に目を閉じた。
暫くしてチュっとリップ音を立て離れた唇を感じミスティが閉じていた目を開けると有り得ない程の色香を放つレインの顔が眼前に有り、顔が急激に熱を持ったのが分かった。
そんなミスティを他所に、レインは親指でミスティの唇の唾液を拭い男に向かって言った。
「…こいつのこんな顔を見ても俺より善いと言えるのか?」
「…くっ、」
「だろうな。では俺達は失礼する。邪魔したな。」
ディーラーや店の者にレインはチップを渡しミスティの肩を抱きカジノを出た。
「…お前が何故ここに居る?」
されるがままに連れてこられたミスティはレインの問いに我に返り答えた。
『…仕事で用があって』
「CP9がアラバスタに用?これは俺達の案件だが。」
ミスティがこの地へ来たのはCP9としての仕事もあるがメインは革命軍としての用だった為、レインを警戒して必要最低限に留めた。
レインもまた任務で赴いていたようだが、政府の人間だとバレではいけない案件なのだろう。いつものかっちりしたスーツではなく涼し気なネイビーのシャツにカーキのパンツというラフな格好だった。
しかし、暑さもあるのか胸元は無造作に開かれ、袖も肘辺りまで捲って着崩されており、先程も感じた色気がダダ漏れだった。