【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第61章 海賊同盟
シーザーの研究所裏口───
「メイン研究室にはおそらくシーザーともう一人女がいる。おれは二人を何とか部屋から連れ出す。お前はその間に薬のことを調べろ。」
ローは麦わらの一味の船医チョッパーを連れシーザーの元へ向かっていた。
「──でもお前そんなに簡単に"M"に会えるなら強ェんだし…"M"を捕まえたらいいじゃねェか。そしたら薬もゆっくり調べられるし…」
チョッパーは目の前のローに純粋に気になった事を尋ねた。最悪の世代の一人としてルフィと名を連ねる男なら3億ベリーと言えど自分でやれるのではないかと。
「こっちの問題でな…それができねェからお前らの力が必要なんだ」
「?」
「とにかくお前らは速やかにシーザーだけ攫ってくれりゃいい。後はおれがやる」
これ以上聞くのは良そうと思ったチョッパーだったがローは医者である事を思い出し再び尋ねた。
「なぁ、能力者が力を使いすぎたらどうなるんだ?」
「あぁ?質問の意図が分からねェ。それにお前も能力者だろうが。」
「そうだけどおれは皆とは少し違うしなぁ。それに今まで見たこと無かったし…"覚醒"って言ってたかな?ジンベエは。」
(覚醒…いや待て、ジンベエだと?)
「覚醒すると更に力を自由に使えるようになるみたいなんだけど、とりあえずその覚醒してないのに無理矢理度を超えた力を使っちゃった事が原因だと思うんだけど血吐いて倒れたんだ。内科的治療は全てやったんだけどまだ意識が戻ってなくて…お前は外科医だろ?一度診てくれないか?」
(確かに俺の能力を使えば助けられるが。能力者が能力使いすぎてくたばるのは自業自得だ。それにおれは今──)
「そんな時間はねェ。ただでさえお気楽な奴らの要望で面倒事が増えたんだ。今此処に居るのもそのせいだろ。」
「そんな…でも、そうだよな。お前には関係ないし、元々は俺の力不足のせいだ。2年間修行したのに…!!」
先程ルフィも口にしていた"2年間"というキーワード。一味はあれからそれぞれが個別に鍛錬したのだろう。意気込んだ矢先壁にぶち当たれば凹む気持ちも分からなくは無いが…
「行くぞ」
ローは冷たい重い鉄の扉に手をかけた。