【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第59章 方舟ノア
ドカァン!!
降ってきたのは巨大な海坊主。
「お前は!!デッケンの部下のワダツミ!!!」
「バンらーれっケン船長〰️!!!おれが落っこっちまったらー!!舟を止めてくれ〰️〰️!!!」
海坊主が喚くと上空にあるノアから声が聞こえた。
「バホホホ!!ワダツミィ〰️〰️!!!おまえを助けることはもう不ギャ能!!この能力で飛ばしたものは何かに激突するか標的を仕留めるまで止まらねェ!!」
(まさか…!?)
「この魚人島と共に!!しらほしの死に供えられる生け贄となれェ!!!」
「しらほし姫……!?まさか手紙やオノの様にデッケンが"ノア"を投げたのか!?」
ミスティは王妃の墓の前での出来事を思い出し悟った。
(しまった…っ!!狙いはしらほし姫かっ!?)
「おいしらほし姫はどこへ行った!?いねェぞ!!!」
「何じゃと!?姫!!?」
デッケンの能力により巨大なノアはしらほし姫を標的とし向かってきている。ノアに気を取られしらほし姫から一瞬でも目を離したミスティは自分を呪い慌てて姫を探した。
標的となっている姫の姿が何処にもなく皆が焦る中、弱々しくも凛とした声が響いた。
「わたくしならこちらです!!!」
「!?」
皆の視線の先には、ノアの前に身を呈して叫ぶしらほし姫が居た。
「あなた様の"マト"はわたくしの命ではございませんか!!!わたくし一人の命を奪う為だけに!!!リュウグウ王国の皆様まで巻き添えになさるのはおや!!おやめ下さいませ!!!」
そして再び叫ぶ。
「わたくしならこちらに!!!」
───
(どうする…このままではいずれノアが魚人島に激突する!!)
戦況は一変し麦わらの一味は追い詰められていた。ルフィが王子達の力を借りながらホーディと海中での戦闘を繰り広げる中、残りのメンバーも幹部達と激闘している。だが、力の主を失ったノアは再び魚人島目掛けて落下を始めた。
『時間が無い…これだけの国民を海へ逃がすには時間が足りないっ!!…ノアを止めるしかっ!!』
ルフィが何とかしようと策を講じている模様が国境警備隊の通信から伝えられたが、ホーディも相手にしながらの試みだ。難しい状況なのはその場に居ないミスティでも分かる。
(…ここからじゃノアに触れることすら出来ない。どうしたらノアの動きを少しでも遅らせる事が出来るの…)