第59章 方舟ノア

「ぎゃああ何だコリャ〰️〰️〰️!!!?」

「何もしてねェのにどえらい数やられたぞ〰️〰️〰️!!!」

「おいしっかりしろお前ら!!」

「畜生!!一瞬で…半分はやられたぞ!!」

「ご…5万人!!?何しやがったあいつ!!!」

人数で優っていた新魚人海賊団の皆々は一瞬で倒れた同胞に理解が追いつかない。分かるのは麦わらの一味の船長に飛びかかった事だけ。

『覇王色の覇気…どおりで…』

今回の件については介入するつもりはなかったミスティだが、先程、大きな覇気を感じた為、船内から顔を出した。雑魚共が泡を噴いて倒れている状況から、ルフィの覇気が覇王色だと分かった。

「＂覇王色＂やっぱ資質あったかあの野郎」

「これくらいやって貰わねェと船長は交代だ」

皆がザワつく中、ルフィが言った。

「ホーディっつったな…お前はおれがブッ飛ばさなきゃなァ。お前がどんなとこでどういう＂王＂になろうと勝手だけどな…」

ホーディへ鋭い視線を向ける。

「＂海賊＂の王者は一人で充分だ!!!」



───



『…心配要らないみたいね』

ミスティは素直にそう思った。麦わらの一味が優勢だ。しらほし姫はこのまま此処に居れば万が一の時はミスティが守れば良い。ルフィがホーディを倒せば終わる。

「なんか燃えてきた!!!」

ホーディを蹴り飛ばすルフィ。攻撃も余裕でかわしている。覇気を使いこなしている。誰がどう見てもルフィが圧倒しているのが分かる。

（時間の問題ね…）

ミスティがそう思った時…

ゴゴゴ…

「え!?」

「何だ!?広場が暗く…」

魚人島上空に大きな物体。

「何と…!!!あれは＂約束の舟＂」

「えええ〰️〰️〰️!!?」

「＂ノア＂」

広場に集まる皆が手を止め空を見上げ動揺している。それもそのはず。今まで魚人街に鎮座していたはずのノアが動いている。そして島のシャボンを突き破ろうとしている。シャボンが割れればノアが衝突せずとも水圧で居住区など吹き飛んでしまうのだから。

「あんな舟がぶつかれば島ごと砕けるぞ!!」

「一体誰が動かしてるんだ!?」

「いや…!!ノアに動力なんてねェ筈だ!!」

動力のないノアを動かすのは不可能。では何故…皆がそう思った時。

「ああああああ」

上空から何かが降ってきた。