【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第56章 予期せぬ乗船
『…元CP9です。』
「…えっ?」
チョッパーが固まった。
「お、お前!!ロビンを捕まえに来たのか…っ!?」
チョッパーの大声に一味が集まってきた。
「どうしたのよーチョッパー」
「何だ何だ?」
「ミスティはCP9だって…っ!!」
「「「何っ!?」」」
チョッパーの暴露に各々の纏う空気が変わった。ウソップやブルックは叫びながらミスティから距離を取り、ナミはロビンを庇うようにクリマタクトを構えている。2人を守るように前に立つサンジも臨戦態勢だ。ゾロは構えこそしていないが何時でも切ると言う表れなのか鋭い視線をミスティに向けている。
(まぁ、そうなるわよね。ニコ・ロビンを守る為に世界政府へ宣戦布告をしルッチ達との死闘の末、今に至るんだから…)
「へぇーお前あのハトの奴の仲間だったのか?」
ルフィがそう言い近づいてきた。
『えぇ…』
「そうかァ!アイツ強かったからなァ♪元気にしてんのか?」
『え…あぁ、貴方達が彼等と戦った時にはもう政府の人間じゃなかったから分からないわ…』
「そうかァ、またアイツとは戦ってみてェなァ!!」
───
『…流石サボの義弟ね。』
ミスティはフッと一瞬微笑んだ。元政府の人間だと言えば立場が悪くなる事は容易に想像出来た。だが、海賊だと言い万が一、ローとの繋がりがあると知られた時の方が心配だった。
最悪の世代の中でもTOP3に入るであろうローとルフィ。これから先、どこでぶつかるか分からない。そんな状況でローに迷惑を掛けることは嫌だった。それなら、自分のテリトリーでしか影響が無さそうな世界政府の役人の方が楽だと思った。
しかし、ルフィはそんな事、一切気にする様子もなくまぁ楽しめと言ったのだ。そして今に至り冒頭の発言に戻るのだが…
ミスティは今、皆とは別の部屋に1人で居る。ルフィの一言で張り詰めた空気が緩み、クルーの雰囲気も戻った。自由にしてくれて構わないと言われたがミスティは自ら縛りを設けた。何事も無ければおそらく1週間程度で海上に戻れる。それ迄はこの部屋で過ごそうと決めた。
(ニコ・ロビンも私が居たら息つまりそうだろうし…)
『でも、生きててくれて良かった…』