【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第55章 戻って来た男
サイファーポール イージスゼロ略称CP0──
世界政府の諜報機関の中でトップに君臨する組織で世界最強の諜報機関と呼ばれている。総監指揮の下、世界貴族の直属として動いており、主な任務は、世界貴族の命での政治活動・諜報、天竜人の護衛等があげられる。
そして、そのCP0に所属する諜報部員は全員が特級クラスの逸材であり、メンバーも一部謎に包まれている。
「今年は世界会議(レヴェリー)が開催される。各要人は海軍が護衛する。俺達は聖地マリージョアで待機だ。」
リーダー的存在のロブ・ルッチが言う。
「それ迄に各々の任務は片付けておけ。いいな。」
メンバーへ指示を出し解散となった。 皆が部屋を出ていく中、一人優雅にティータイムをとるメンバーが居た。
「…おい、何をしている。」
ルッチが鋭い視線を向ける。
「あら、お茶ぐらいゆっくり飲ませなさいよ。」
紅一点、ステューシーが答えた。
「話は終わりだ。早く出ていけ。」
「もう!せっかちなんだからっ!…あ、それよりルッチ?」
部屋を出て行く前に思い出したようにステューシーは言った。
「あなた…最近、手当り次第に楽しんでるようだけど、身内は後々面倒よ。手を出すならプロにしなさい。」
「お前には関係ない。」
「あら…心配してるのよ?同じ組織のメス猫達にも手を出しては泣かせてるようじゃない?好意に応えないなら寝るのは止めなさい。」
ルッチに好意を寄せている組織内の女性達に手を出してはヤルだけやってポイするルッチの行いは、面倒事にならないとも言えない状況だ。ルッチを敵に回す程、愚かな者は居ないとステューシーも理解はしているが、自身の経験から窘めた。
「それに抱いてる割には何だか…ねぇ?」
「何だ?」
ステューシーの含みのある言い方にルッチは噛み付いた。
「満足していないんじゃないの?なんなら私が相手してあげても良いのよ?」
「殺されたいのか?」
「あらヤダ。冗談よ?でも私、経験豊富よ?その辺のメス猫達より楽しませてあげられるわ。」
「殺されたいようだな。」
目で殺しそうなルッチの殺意の籠った視線にステューシーは笑った。
「どうやら居るようね。貴方を満足させる子猫が…見てみたいわ♪」
ステューシーは楽しそうにそう呟くと部屋を出て行った。