【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第55章 戻って来た男
──某所
「あっ!」
ギリッ
「ん…っ」
ギシギシッ…
「すごっ……あっ!あっあっ!///」
どさっ…
「ん…」
ズン
「あぁ…っ!!」
ギシギシッ
「いいっ、い…あっあん!」
パンパンッ…
「だめっ!こわれちゃう…っ!あっあっ!」
女の官能的な吐息が快楽の叫びに変わる。
「あんっ///……ルッ…むぐっ!」
「黙れ」
「ん──…」
──
コツ…コツ…
「……」
時計の針がてっぺんに辿り着かない時分に、こんな処に居る自分が信じられなかった。女を抱いて溜まりに溜まった欲を吐き出すつもりだった。
いつからだろうか。満たされない自分が居る。今迄は良かった。己の欲は満たされていた。
──"殺し"という手段で
だが、俺は…いや、俺達は裏切られた。力が全てだった。それにより築いた地位も名誉もエニエス・ロビー以後、全てを失った。力も…そして仲間も。
必ず戻ると憎い元上官に宣戦布告した後、俺はまた戻って来た。洗練された力とそれに耐えうる身体と共に。だが、嘗ての仲間は同じようにはいかなかった。
正直、地位や名誉等には興味は無い。殺しが許されるのであれば何でも良かった。だが、与えられる任務は以前のようなものとは程遠く、俺の中の欲は満たされることなく身体の中で蠢いている。
だから片っ端から女を抱いた。何度も何度も己の欲を外に吐き出した。だが、満たされることはなく、むしろ嫌悪感が残った。女の喘ぐ声を聞いても雑音にしか聞こえない。そして女の中には自分の名前を呼ぼうとする者もいた。吐き気がした。先程も呼ばれそうになり口を塞いで出すだけ出して今に至る。
"ルッチ…"
あぁ。そうか。あの時が最後か。いや、最初で最後という方が正しい。自分でも驚く程、素直な気持ちを吐露したあの時。あの時は何故あそこまで自分が満たされたのかは分からなかった。デカい胸を揉みしだき舌を絡ませ思いっきり己を突き立てる行為。ただそれだけなのに。だが、今なら分かる。
"アイツだから"
まぁ、今となってはもうどうでも良い事だ。抱こうにもその女は居ない。会いたいとは思わない。だが、あの時…お前が俺の名を呼んだ時、俺も呼べば良かったと思う。
──ミスティ