【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第51章 罠
───ポーラタング号
「おい!このまま船を出せっ!」
ローの怒号が船内に響く。
「アイアイ、キャプテン!!」
ベポを始めクルーは急いで持ち場につきヴァッフェを後にした。程なくして潜水可能なラインに達したポーラタング号は海の中へと姿を隠した。
海軍は端から追うつもり等なかったがロー達がそれを知る術は無かった。
落ち着きを取り戻した船内でローは戦線を離脱した時のまま抱き寄せていたミスティに気付き慌てて腕を離した。
「悪い…」
『あ、うん…相変わらずローの能力良いよね!』
船までローの能力で運ばれたミスティは素直な気持ちを口にした。
「お陰でかなり体力消耗したがな…だが、お前のお陰で助かった。」
『間に合って良かった!』
「怪我ないか?俺を庇った時くらったろ?」
ローはミスティの状態が気になっていた。
『あー…何かチクってしたけど大丈夫みたい。痺れとかないし。毒とかならもう症状出てるでしょ?まぁ仮に毒だったとしても、私、昔から色んな毒に対して耐性は付けてる方だから問題ないと思う。』
着ていたジャケットを脱ぎ腕を擦りながら大丈夫と答えるミスティにローは少し呆れたが一応能力で確認した。
「スキャン」
『……。』
「…何かあれば直ぐ言え。」
『了解!』
長年、諜報部員として任務にあたっていたミスティの経験と耐性をつけた体質、初見では異常はなかった事を踏まえローはそう言った。
『ねぇ!それより私の剣ー!!』
「お預けだ。次の島まで待て。このままニューマリンフォードへ向かう。お前の用はその後だ。」
『え!?もう行くの?』
「あぁ。心臓も揃った。今回だけは早いに越したことはねぇ。」
ローの意向に反対する者は居なかったが、慌ただしい出航になってしまった為、クルーから宴がやりたいと希望が出た為、本来予定していた宴を船でやることになった。
『私、厨房でお手伝いしてこよっと。』
「邪魔するな」
『失礼ね!私、料理は出来るわよ!』
「期待しないで待っとく。」
ローのからかいにミスティはホントなんだからっと叫びながら厨房へ向かって行った。
ローも準備が整うまで部屋に戻るかとその場を離れた。