【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第51章 罠
元々の暗さに加え、瓦礫等により発生した土埃のせいで吹っ飛んだ海兵達の様子が分からず、俺の名前を読んだ女の姿も確認が出来ない。
「くそっ…どうなってる!?」
此処には海兵が居ることもあり、易易とミスティの名を口に出来ない。目を凝らしながら気配を探る俺は後ろで倒れていた船長の存在を忘れていた。
「よくも俺の心臓を…お前も道ずれだ!トラファルガーっ!!」
「…っ!?」
振り向くと倒れていた船長が俺に向かって右腕を振り下ろす姿が目に入った。
(しまった…っ!!)
体力の消耗により思ったように能力が発動出来ない。
ギュッ!ブスッ!
何かにしがみつかれたような感覚が腕にあった。それがミスティだと分かり焦った。
「おいっ!お前…っ」
カランと何かが落ちる音とドサッと何かが倒れる音がした。
『ローっ!早く今のうちに…』
「っ!…Room!」
ブーンと音がし辛うじて2人収まる程度のサークルを発動させ俺はミスティをそのまま抱き寄せた。
「シャンブルズ!」
───
「いてて…」
「畜生…」
瓦礫を払いながら起き上がった2人の海兵は周囲を見渡した。海賊達がのびているがトラファルガー・ロー達ハートの海賊団が見当たらない。
「追いましょう!!」
「おう!!」
意気込む2人に声がかかる。
「よせ!もう良いわい。」
「え!?でも…」
「今回はワシらの負けじゃ!お前達、まだまだ修行が足りんな!」
「「すみません…」」
2人は項垂れた。
「よし!!帰ってまた鍛錬じゃ!!覚悟せぇ!!コビー!!ヘルメッポ!!」
ワッハッハッと豪快に笑いながら建物の出口に向かっていく男を慌てて追いかける2人の海兵。
「よーし!あの人達に追いつく為に頑張ろう!ヘルメッポさん!」
「あぁ!やってやるさ、コビー!」
意気込む2人を見て男は笑った。
(此奴等の力試しもあったがルフィを助けた男じゃ。一度近くで見てみたかったが…彼奴はやはり油断出来ん男じゃ。それにあの女…このワシが気付けんかった。何者じゃ…)
「まぁ良いか!」
トラファルガー・ローを逃したにも関わらず凹むことの無いこの海軍将校。
───名をガープという