【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第47章 変化
シャー…
『気持ちぃ…』
ミスティは皆との鍛錬による汗をシャワーで流しながら思った。
(身体を動かす事で感覚がどんどん戻ってくる。それに…みんなとの組手は楽しい。)
そう思いながらミスティはフッと笑った。これもみんな…
『彼のお陰ね。』
シャー…
──
『シャワー有難う。』
「あぁ。」
ミスティは医学書を読むローに礼を言った。いつものように短い返事があった。
ミスティは他のクルーの使うシャワールームを使わず船長室に完備されたロー専用のシャワールームを使わせて貰っていた…と言うよりもローからの指示でそうしている。
(やっぱり私、邪魔じゃないかしら…)
『ねぇ。ロー…』
「…どうした?」
『私、皆と同じシャワールームを次から使わせて?いつも此処を使わせて貰うのはローの邪魔になるし…』
ミスティはローへの気遣いからそう言ったのだが。
「…お前はバカか。」
はぁ…と盛大な溜息と共に投げかけられたバカという2文字。
「お前がアイツ等と同じ処を使うとトラブルしか起きねぇ。俺に遠慮するなら俺の手を煩わせない事を第一に考えろ。」
『何でトラブルしか起きないの?』
ローの言い分に純粋な疑問が湧いたミスティは質問を投げ掛けた。
「…分からねぇなら尚更だ。いいからお前は此処を使え。」
『あ、うん…分かった。有難う。』
「それより右腕と左脚の調子はどうだ?」
急に医者モードのローに面食らうミスティだったが、それぞれを軽くぶらぶらさせながら問題ないと答えた。
「そうか。だがまだ注意しろ。折角塞いだ傷口が"あの時"酷使したせいでまた開いたんだからな。分かったな?」
(あの時…)
あの時とはミスティがポーラータング号を襲ってきた海賊から身を呈して守った時。
『有難う…ロー。』
「あぁ?」
『リハビリ許してくれて有難う。』
「お前が毎日煩せぇからな。」
『…私、今すっごく楽しい。皆と居て。』
ミスティはローに笑いかけた。
「…ちっ!くだらねぇ事言ってねぇでさっさと寝ろ!」
ローはぶっきらぼうに返した。
『はーい!おやすみ、ロー!』
そう言い部屋を出ていったミスティ。
「あのヤロー…調子狂わせやがって」
ローのボヤキは誰にも届くことはなかった。