【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第46章 後悔
※ロー視点
「どうした、ベポ。」
「うん…オレ達が居ない間に何があったかもう少し詳しく聞いたんだ、新入りに。」
あぁ、通りで俺達が此奴を探している間、姿が見えなかった訳だ。此奴が絡むとベポは必ず関わろうとする癖に居なかったのはそれが原因か。
「で?」
「うん…海賊を倒したのはミスティで間違いないと思うしそれはキャプテンも分かってるよね?」
「あぁ。」
「…それでさ、分かった事があるんだけど…ミスティはいつでも逃げる事が出来たみたいだよ?」
「あぁ?…どういう事だ?」
ベポは何を言っている?俺はそう思った。
「夕食の時に使ったフォークで枷の錠を外したみたい。流石CP9だよ。ミスティには最初から枷なんて意味なかったんだ。優秀な諜報部員ならあんな錠外すの朝飯前なんだね。」
「なら何故逃げなかった?」
「それは分からない。これはオレの想像だけど…ミスティはキャプテンの許可を取ろうとしてた。命を助けてくた恩人を裏切りたくなかったんだと思う。」
「…心臓を俺が持っていたからだろ。」
そうに決まっている。自由の身になったにも関わらず留まる理由は無い筈だ。
「あと海賊に捕らえられた新入りを助けたのもミスティだって。」
「…新入りは閉じ込められていたんじゃねぇのか?」
「あれはミスティがそうしたんだ。キャプテン…覚えてる?ミスティの右腕と左脚のこと…」
「っ…!!」
── 右腕と左脚が思うように動かないのに僕を助けてくれたんです!
確かにそう言っていた。右腕と左脚はアイツが最初に怪我をしていた箇所だ。だが、既に傷は塞がっているし日常生活には…
── もし船が襲われたりして戦わないといけなくなったら?このままじゃ私、動けない!
「っ…」
「戦うには身体がもたなかったみたい…」
ベポが辛そうにポツリポツリ続ける。
「だから新入りを守りながら戦うなんて無理だったんだろうね。だからあそこに避難させた。」
「そうか…」
「ミスティは政府の人間だけど海賊であるオレ達の仲間を助けてくれた。ミスティは政府の立場だけどキャプテンの嫌ってる側の人間じゃないと思うんだ…」
そう言うとベポは部屋を出て行った。