【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第46章 後悔
「キャプテン!大丈夫!?今ロープを…」
「いや、いい!それよりもオペ室あっためとけ!!」
上で待つ2人にローは指示した。
(身体が冷てぇ…チアノーゼも出てるな…)
「くそっ…また患者に出戻りかよっ!」
ローは右手でミスティの身体を抱き寄せ左手を翳した。
「Room…シャンブルズ!」
ドサッ…
2人の身体はローの張った膜の中にあった甲板の樽と入れ替わった。
「えっ!?キャプテン!?」
甲板に居たクルー達は急に現れた2人の姿に驚いたが、ローの抱いている女の状態が普通では無い事は直ぐに理解した。
「キャプテン!オペ室はいつでも大丈夫だよ!」
船内から飛び出してきたペンギン。先程、ローに言われたように動いていた。
「あぁ、コイツを一旦シャワーで温めてから連れて行く。」
「分かった…!!」
ローは他のクルー達に出港の準備をするよう言い自室へ急いだ。
──
ザーッ
服のまま自室のシャワー室に駆け込んだローはコックを一気に捻った。抱いていたミスティの身体についた海水を流し体温を上げる為に湯を浴びせ続けた。
ミスティを海から引き上げた際に身体を確認したところ傷は何とかなりそうだった。海水に晒された事で低体温になり出血が抑えられた事が幸いした。
(体温さえ戻れば何とか助けてやれる…!)
ミスティを抱く腕に力を込めた。
──
ピッ…ピッ…ピッ…
規則正しい機械音が部屋に響く。先程、ミスティの処置を終えたローは眠っているミスティの傍らに座り様子を見ていた。幸い体温も何とか戻り処置も無事終えた。低体温症の影響も無かった。
初めてミスティを見た時にも思ったが、眠っているミスティは本当に綺麗だとローは思った。正直、あの惨状の渦中の人物だとは思えない。
「此奴があれを…」
真っ白な肌に薄い金色の髪、そしてこの華奢な身体で大の男達を1人で倒した。理由は分からないが事実なのだ。
ミスティにローは違和感を感じずには居られなかった。何となくミスティへ手を伸ばしたその時…
コンコン──
「キャプテン?」
控え目なノック音と共にベポが顔を覗かせた。ローは伸ばした手を引っ込めベポに視線を向けた。
「どうした?」
「ちょっといい?…話があるんだ。」
神妙な面持ちでベポが言った。