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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第46章 後悔


「「えっ…!?」」

ローの視線の先には甲板と丁度反対側になる潜水艦の壁と手摺にこびり付いた血の跡があった。ベッタリとついた"ソレ"は誰が付けたものなのかローは気付いた。

「くそっ…!!」

壁には何箇所かある血の跡も手摺には1箇所しかなく握られたようなしっかりした跡でもなかった。

ローは慌てて手摺から身を乗り出し海を覗き込んだが視界が悪く打ち寄せる波に阻まれよく見えなかった。

「シャチっ!!灯りよこせっ!!」

「え?」

「バカッ!!早くしろっ…!!」

ローは半ば奪い取る形でシャチから灯りを借り海へと突き出した。

「くそっ…!波が高いな…」

「えっ?あの子海に落ちたのっ…!?」

「この波の高さじゃ助からないよ!!」

「うるせー!!お前等もよく探せっ…!!」

3人は小さな灯りを頼りに暗い海に目を凝らした。

(いつだ?いつ海に落ちた?…夜の海だぞ!早く見つけねぇと凍えちまうっ…!!)

その時、手摺沿いに移動しながら確認していたシャチが叫んだ。

「キャプテン!!あそこっ…!!」

ポーラタング号の船尾、魚で言うと尾鰭の部分を型どった突起部の辺りを指しながら大声で叫んでいる。

ローとペンギンが駆け付けると、身体を船体に預けるような形で女が辛うじて頭と片腕を水面から出した状態で浮いていた。波により打ち寄せられたお陰なのか本人の力で捕まっているようには思えない程頼りない状態だった。大きな波が来れば簡単に飲み込まれてしまい手遅れになる。

「あの子だ!!キャプテン、ヤバいよ!!早くしなきゃっ…」

「ちっ…!!」

ローは手摺を飛び越えミスティの元へ降り海面から引き上げようとしたが海水に触れてしまい一気に身体の力が抜けた。能力者の天敵である海水により力を海に奪われたのだ。

「くそっ…」

「キャプテンっ…!!今行く…」

「来るな!!バランスが維持出来ねぇ…!!」

シャチもペンギンもローがそう言うならとグッと堪え留まった。

取り敢えずミスティを海から引き上げなければどうする事も出来ない。ローは力の入らない身体を何とか動かし海水に触れて居ない左手に力を込め一気に引き上げた。

バシャーッ!!ドサッ…!!

ローは大量の海水を全身に浴び力の抜ける身体でずぶ濡れの華奢な身体を抱き留めその場に座り込んだ。
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