【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第46章 後悔
「あぁ?どういう事だ?」
「気を失っているし怪我もしているようだった。今は手当をして寝かせている。」
「そうか。なら…」
ローは言いかけたが後ろから大きな声がし遮られた。
「何これ!?どーなっちゃってんの!?」
「うわぁっ…死んでんの?此奴ら…」
シャチとペンギンが騒ぐ。ベポは血の臭いがキツイのか鼻を押さえて涙目になっている。
「キャプテン!新入りが目ェ覚ましましたんで話が出来るかと!」
船内からのクルーの呼び掛けにローはペンギン、シャチ、ベポ、ジャンバール以外のクルーに後始末をするよう指示を出し4人と共に船内へ向かった。
──
「すみません…」
力なく謝る青年を前にローはドカッと椅子に腰を下ろすと切り出した。
「俺達が居ない間に何があった?」
「はい…僕が掃除や片付けをして居たら急に男達が入ってきて…」
話を聞き襲って来た奴等はジャンバールの言っていた通り海賊であると分かった。だが、気になる事がある。
「…あれはお前がやったのか?」
「えっ?」
「ぶっ倒れていたアイツらはお前がやったのか?」
「いえ、僕は殴られて伸びちゃってましたから…あれはあの女の人が…」
そこまで言った青年の顔はみるみる真っ青になった。
「あの人はっ…!?あの人は大丈夫なんですかっ!?」
急に大声で騒ぎ出した。
「おい!落ち着け!どーしたんだよ?」
ペンギン達が宥めに入る。
「僕はあの人に助けられたんだ!あの人が…全部…!!会わせて下さい!早く手当しないとっ…!」
そこまで青年は言って目の前の反応に不安を覚えた。
「あの人って…ミスティの事?」
ベポが言った。
「あ、あの女の人はミスティさんと言うんですね…僕、知らなくて。そうです!その方です!右腕と左脚が思うように動かないのに僕を助けてくれたんです!」
青年の言葉に皆黙ってしまった。
「ちっ!」
ローは舌打ちをし鬼哭を担ぎ部屋を飛び出した。ペンギンとシャチもそれに続いた。
「あの…ミスティさんは?」
「オレ達が戻ってきた時にはミスティの姿はなかった。海賊達は死んでたけどそもそも何人居たかも分からない。連れ去られたのか…殺されたのか。」
「そんな…」
「もう少し詳しく教えてくれる?ミスティの事も含めて。」
ベポの真剣な眼差しに青年は頷いた。