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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第45章 油断


ミスティは先程、青年が持って来てくれた夕食のシーフードドリアを食べていた。海賊飯にしては手が込んでいたが、今日は皆が居ないと言っていた事から、わざわざ自分の為にこんな手の込んだ料理を作ってくれたのだとミスティは思った。

『…美味し』

料理人によってドリアのライスは異なるがこのシーフードドリアはミスティが好きなケチャップライスだった。その上にエビ、カニ、イカ、ホタテ等の魚介が乗せられホワイトソースとチーズで仕上げられていた。

『…サボも好きだったな、この味。』

幼き頃に自分の家で一緒にご飯を食べた時の記憶が蘇った。その記憶をサボは無くしてしまったが成長してからもバルティゴでよく食べていた。

『いつまで経っても子供なんだから…』

見た目とは異なり中身は少年の頃のままのサボを思いミスティの顔は複雑そうに歪んだ。

今頃サボはどうしているのだろうか。セレナとして自分の事を少しでも思ってくれているのだろうか。喧嘩別れのようになってしまったあの日から少しでも…

(いや、やめよう…)

ミスティは首を振りその気持ちを抑え込んだ。こういう状況に置かれた時、人は過去に縋りたくなるものだ。今は一時的にそう思うだけ。

『大丈夫!サボも…レインも。』

そう言い聞かせた。

その時──


ガシャァァァン…ッ!!!


『っ!?』

物凄い音が船内に響いた。

『何…!?』

ミスティは咄嗟に先程まで使っていたフォークを力で変形させ枷の穴に差し込みカチャカチャと上手く動かし解錠した。

自由になったミスティは上着を羽織り、外の様子を確認すべく部屋を出た。

──

ミスティが居た部屋は船内の奥の方にある為、状況を確認するにはかなり不利な場所だ。そしてこの船は潜水艦。窓ははめ殺しの強化ガラス。外に行く為には甲板へ通じる入口のみ。

各部屋に身を隠しながら通路を進む。その時、声が聞こえた。

「うわぁぁぁ!!」

?「なんだ、コイツ?情けねぇ声出しやがって!」

?「ハートの海賊団にもこんな奴居るんだな!」

バキッ!!ガターンッ!!

「くっ…!!」

?「弱ぇな!とりあえず甲板にいる頭の所に連れて行け!俺等は船内を確認する!」

(あれは…海賊?ハートの海賊団を狙ってきたの?…だから甘いって言ったのよ!)
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