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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第45章 油断


──ミスティ…


ん…誰っ…?


──ミスティ…


誰なの…?





ガチャッ…


『っ…!!』

「っあ…すみませんっ…!起こしてしまいましたか?」

(夢…か。)

ミスティの目の前には見たことの無い青年が立っていた。

「苦しそうな声が聞こえたもので…」

『…大丈夫です。夢を見ていたみたいです…』

「そうですか…あ!食欲ありますか?夕食持ってきました!」

『……。』

「あの…」

『っ!ごめんなさい…いつもベポが持って来てくれていたから。有難うございます。』

ミスティは青年に礼を言った。

「あ!そうですよね!僕、炊事全般を任して貰っているので基本厨房で料理してるか甲板とかで洗濯してるかだから貴方に会うのは初めてになりますね!」

『そうなんですね。美味しいご飯いつも有難うございます。』

そうミスティが言うと青年の顔が少し赤くなった。

「そう言って貰えて嬉しいです!明日にはログが溜まるので今日は島の酒場で宴だって言って皆さん船をおりてますので僕が…」

『船長さんも?…貴方だけなの?』

ミスティは驚いた。見るからにこの青年は戦闘に不向きだ。加えて仮にも政府のミスティが船には居る。拘束されていると言えどこの青年レベルなら瞬殺だ。

「はい。上陸前に確認したところハートの海賊団に手を出す海賊は居ないとのことでしたし…貴方も人を傷つけたりしたいと思うから。」

『!!』

ベポといいこの青年といい海賊にしては人が良すぎないだろうか。ミスティは他人ながら心配になると同時に船長であるローに同情した。

『ハートの海賊団って甘いのね…海賊はいつ誰に襲われるか分からないし私も今までは大人しくしていたけど今が貴方1人だって分かったから貴方を殺して逃げ出すかもしれないわよ?』

「…前者は僕には分かりませんが、後者は大丈夫だと思います。貴方はそんな人じゃない。」

『…どうしてそう思うの?』

「何となくです。僕、戦うのは苦手だけど人を見る目はある方だと自負しています。夕食此処に置いとくので冷めない内に食べて下さい。じゃっ!」

そう言うと青年は部屋を出て行った。

『人を見る目…か。』

あの青年には自分がそういう風に映っているのかと思うと気持ちが沈んだ。



──そんなできた人間じゃないわ、私。
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