【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第5章 任務遂行の為に
本部の建物の前にセレナは立っていた。
7年居たけどゆっくり見たこと無かったかも…
──有難うございました
革命軍という組織に対しお礼を言い本部をあとにした。
『え、何で…』
「お前、俺に何も言わず行く気だったのか?俺は参謀総長だぞ!!」
本部から小船のある入江に向かったセレナを迎えたのは腕を組み岩に背を預けるサボだった。
「ドラゴンさんから聞いたんだよ!任務なら俺に言えよな!内容は聞いてねぇけど…今までとは比べ物にならない位長期なんだろ?」
(ドラゴンさん…内容は伝えずにいてくれたんだ)
『…うん。』
「まぁ、なんだ。お前なら余裕だろ?早く終わらせて帰ってこいよ!」
そういうとこ、全然変わんないね…
『そっちこそ次の任務危険なんでしょ…コアラから聞いた。』
「チッ、アイツ…まぁ何とかなるだろ!」
『…気を付けて。』
サボは目を見開いた。
(セレナが俺を心配するってどういう風の吹き回しだ!?)
予想してなかった返答にサボが困っていると、セレナがこれっと手を差し出してきた。サボは反射的に受け取った。
『サボにあげる。』
サボの手にあるのは青い石のネックレス。確かセレナがいつもつけているものだ。
「これ、お前の大事なもんだろ?ずっと身に付けてたじゃねえか!」
『…お守り。私は沢山守ってもらったから。きっと守ってくれるよ。』
(ホントだよ?あの日、サボがくれたネックレスが今まで私を守ってくれた。今度は私の思いがサボを守るよ…)
「なら余計お前が持ってろよ!」
『…私それがあったから強くなれた。サボはもう強いけどそれがあればもっと強くなれる。私はそれに頼らず頑張る。』
普段とは比べ物にならない位、饒舌なセレナに押されサボは折れた。
「…分かった。ありがとな!」
早速自分の首にネックレスを付けるサボ。その様子を見ながらセレナは心の中で語りかけた。
(私、サボと一緒に海に出たこと後悔してないよ?記憶無くなっちゃったけど、あの1年で私の両手では受けきれない程の幸せをサボは私にくれたんだ。本当に有難う…私と出会ってくれて)
流れそうな涙を言葉と行動で誤魔化した。
『…そろそろ行くね。』
セレナはそう声を掛け、小舟に向かう。
「おぉ!気をつけてな!」