【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第5章 任務遂行の為に
『…サボ、最後に。記憶はもう良いと思うよ。…サボにも忘れられた人にもその年数分の人生があるんだから。』
今までサボが記憶を失ったことについて私から触れることはなかった。
避けてたけど"今"伝えておかないと、と思った。
『…過去より今を生きなきゃ。』
「ん?あぁ…サンキュー」
『じゃあ…』
──ザァー…ザザーン…
サボはセレナが発ってから暫く海を眺めていた。
「過去より今を生きる、か…」
先程、別れ際にセレナが言った言葉だ。
今日は良く喋っていたセレナ。少し様子がおかしかったと思う。何となくだが泣きそうだった。
「戻ってきたら話聞くかっ!」
(…だから無事帰って来い!)
サボは知らない。彼女の覚悟を。
主の居なくなった部屋の机の上に置かれたエターナルポースが夕日の光を受けて悲しく光った。
──ザァー…ザザーン