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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第1章 モノクロの世界にさした色


──ゴア王国のとある貴族の屋敷。


「ミスティー!ミスティー!」

母の声が屋敷内に響く。毎日のことに慣れっこな私でもうんざりしながら顔には出さず応える。

『はい、お母様。』

「勉強は終わったの?ピアノのお稽古は?もうすぐ先生がお見えになるわよ!」

『勉強は終わりました。ピアノのお稽古の準備も出来ています。』

「そう、なら良いわ。貴族の令嬢として恥ずかしくないよう社交界のマナーやダンスも学んで貰わなくちゃいけないから遊んでる暇はないわよ!」

──私、遊んでる事ある?
毎日毎日、食事と入浴以外は勉強やお稽古ばっかり。
外出と言えばたまに開催される社交界のパーティーぐらい。
近所の子供たちと遊ぶことなんてないから友達もいない。
話し相手と言えば、執事の爺と世話役のバーバラの2人。
あ、あとは私の部屋の窓から見る空を流れる雲と瞬く星々…


でも仕方ない。
諦めてる。
だって、私は貴族の家に生まれた子供。
お家繁栄の為に生きていくことが生まれた時から決まっているんだから。
沢山勉強して、お稽古も頑張って、努力に努力を重ね教養と品位を備えた淑女になり名家に嫁ぐ…これが私の親の目指す私に対しての人生のゴール。
そして解放されることなく次は嫁ぎ先から求められる次のゴールに向かって進んでいく。後継ぎを生むというゴールに向かって。


これが私の人生のシナリオ。



これが若干9歳にして自分の行く末を決められてしまった少女の物語。
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