第1章 モノクロの世界にさした色

人は生まれる時、選択することは出来ない…

性別も
親も
家柄も。


私の人生はモノクロの世界。
親の敷いたレールの上を少しずつ進んでいく変わり映えのない毎日。
両親にとって私は愛娘でもなんでもない、ただ家の繁栄の為のコマでしかない。


いつから色が失われたっけ？
だんだん薄くなってきた？急激に色褪せた？

ううん、違う。
きっと最初から無かったんだ。



小さな私の生きる狭いモノクロの世界。
そんな世界で生きる私にとって貴方が…貴方だけが素敵な色をしていたんだ。












──ね、サボ。