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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第43章 白いクマとクマの酷い人間


そうこうしているとベポが立ち上がり言った。

「じゃあオレ仕事戻るね!また来るからゆっくり休んで!」

私がコクンと頷くとベポは嬉しそうに手を振って部屋を出て行った。すると入れ替わるようにキャプテンと呼ばれる男が入って来た。私は助けて貰ったお礼を言わなければと思い、思い通りにならない身体を起こそうとした。

「よせ、そのまま寝ていろ。」

以前と同じように抑揚のない冷たい声だった。

『ご、めん…なさい…』

悪いと思い謝罪の意を口にすると溜息を吐かれた。

「喋るな。数ヶ月寝ていたんだ。筋力も落ちている。無理して動いて朝の二の舞になる気か。」

朝?ベポの言っていた事だろうか?ベポの話だとベポが目を離した僅かな間に私はベッドから落下し腕を怪我したとの事。

(…レインの夢を見ていた気がするけど怪我をした事はよく覚えていない。)

命を助けて貰った上にこれ以上迷惑を掛けたくないと思った私は素直に従った。男は軽く診察をし部屋を出て行った。

(あのジョリーロジャー…)

男が着ていた黄色と黒のパーカーには大きなジョリーロジャーがプリントされていた。そう言えばベポのツナギにも小さなジョリーロジャーがあった気がする。

(そうだ、ハートの海賊団のシンボルマーク…そしてあの男は死の外科医ことトラファルガー・ローだ!!)

悪魔の実"オペオペの実"の能力者であり実力もあるが故、政府も野放しには出来ず手配書を出すことになった。懸賞金は2億ベリー。

相手が実力もある海賊なら私の立場は非常にマズイ。革命軍の為とは言え、世界政府に身を置いていた者を海賊である彼等が受け入れる事はない。数ヶ月眠っていた私が目を覚ましたのだから数日後、いや早ければ明日にでも尋問が始まるだろう。

海賊団を率いる船長ならその人格や手腕は問われる。勿論全ての船長が皆からの信頼を得られている訳では無いし強さだって人それぞれ。だけど少なくともトラファルガー・ローは船長として申し分ない男だと思う。本人とは全くと言っていい程話していないが、ベポの話や様子だと間違いない。そんな船長ならクルーを危険に晒す事はしない。正体不明の女を治療目的で船に乗せ甲斐甲斐しく面倒看る等考えられない。

(全てはトラファルガー・ローの出方次第…か)

だんだんとクリアになる頭でこれから起こる事を考える為に、私は思考を巡らせた。
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