【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第41章 同期
ザァー…ザザーン…
あの日と同じマリンフォードの港に来た。
何故こんな事になった?ミスティは政府に潜入した革命軍のスパイでそれを知った上が始末する為に今回の任務を利用した。その結果ミスティはドフラミンゴに殺された。
「…ミスティ」
ミスティが偶に見せる憂いを帯びた表情や言動から何か悩みがあるのだろうと思っていたが、まさか敵対する革命軍の兵士だったとは思わなかった。
俺との関係は偽りだったのか?政府の中で上手く立ち回れるよう俺は利用されたのか?
任務で俺に怒鳴られても自分の意見を伝える真剣な顔。
俺からのプレゼントのピアスを付けて嬉しそうに笑った顔。
朝起きて隣に俺が居なかった時の不安な顔。
俺とのキスに照れる真っ赤な顔。
俺に抱かれて眠る幸せそうな顔。
俺が知るアイツの顔。どれもアイツだ。でも、今の俺には自信がねぇ。
「俺はどうしたら良いんだ…?」
──ミスティ。
──
俺の話を2人は何も言わずに聞いていた。齎された沈黙が拷問のようだった。
「レイン、貴方は知らなかったの?」
「…知ってたら行かせねぇよ。」
「そう…」
カリファと俺のやり取りを聞いていたルッチが立ち上がった。
「行くぞ。」
出て行こうとするルッチを慌ててカリファが追おうとするとルッチが立ち止まり言った。
「好いた女が死んだぐらいで今のようになるならCPは辞めろ。」
「…死んだぐらい…だと!?」
俺は思わず立ち上がりルッチの胸ぐらを掴んだ。
「ちょっと!レイン!?」
カリファが慌てて小声で制する。
「店内に入ってきた俺達に背後を取られるなど言語道断。以前のお前ならそんな事にはならなかっただろう?」
「っ!?」
俺の手を振り払いフンと鼻で笑った。
「俺達は必ず戻る。やるべき事が幾つかあったが…ミスティの件はお前に任せる。好きにしろ。」
ルッチはそう言うと店を出て行った。
「ルッチなりの譲歩よ…有難く思いなさい?」
「譲歩だと…!?」
「少し前の彼ならスパイであるミスティに何も感じなかったと思うわ。でも…エニエス・ロビーの一戦で少し熱くなって感化されちゃったみたいなのよね。私は今の方が良いと思うけど。そんな彼が貴方に任せるって言ったのよ?」