【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第41章 同期
カリファはニコッと微笑んだ。
「ミスティが好きになった貴方の為に散らせた命…CP9としては評価出来ないけど女としては悪くない。」
「アイツはCP9である前に…革命軍だ。」
ミスティに1番聞きたい事。お前は俺を本当に好きだったのか。利用したんじゃねぇよな?自分で自分がこんな小せぇ男だとは思いもしなかった。
「CP8のエースが腑抜けになってたのはそれが理由?はっ、呆れた!男っていざと言う時にこうも弱いものなのね。そしてそれは貴方の正義にも言えること…」
カリファは呆れたようにフゥと溜息を吐いた。
「特定の女を作らなかった貴方、CPや海兵からモーションを掛けられても靡かなかったミスティ…これが答えじゃないかしら?」
そう言うとカリファはじゃあねと言い店を出て行った。
──
「…良かったの?譲っちゃって。」
カリファは前を歩くルッチに問う。
「組織は中々変わらねぇ。力で上に行くしかねえからな。」
ルッチの返答は質問の答えとしては不正解な抽象的な内容だった。
「お前の同期…中々見所が有りそうだ。俺達が戻る頃にどうなってるか…」
ニヤっと口元に笑みを浮かべているであろうルッチの背中を見てカリファは思った。
(貴方が本気でミスティを思っていたのなら彼と良い勝負になったと思うわ…)
「カリファ。さっさと来い。戻るぞ。」
「ええ!」
カリファは前を行く男の横に並び仲間が待つ場所への帰路についた。
──
レインは帰路の船の上に居た。船尾から波を見ていた。
── 私は貴方のことが好きです
── レイン…私も貴方を愛しいます
ミスティの言葉が頭の中でリフレインする。
「サンキュー…カリファ」
俺はミスティが好きだ。今でもそれは変わらない。死んだアイツに答えは聞けないが俺が正解を作れば良い。最後まで俺を信じてくれた女の為に。
俺はしていたネックレスのペンダントトップを着ていたシャツの上からギュッと掴んだ。
「もう迷わねぇ…悪かったな。ミスティ。」
──俺は俺の正義を貫く