【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第40章 感傷
「…ミスティさんね、スティルハートさんの事すっごく好きだったんだよ。」
「は…?」
「スティルハートさん知ってる?ミスティさんには婚約者が居たんだけど事故で記憶が無くなっちゃったみたいなんだ。」
アリスはレインの隣でポツリポツリ話し始めた。
「大好きな人に忘れられるのってどんな感じなのかな…ミスティさんは、その事を自分の世界に色が無くなったって表現してた。」
(アイツ、本当に好きだったんだな。)
「私と初めて会った時も同じだったみたい。でもね、それを変えてくれたのがスティルハートさんなんだって次に会った時、教えてくれたんだ!」
「俺…ですか?」
「うん!傷付くのが嫌でもう誰も好きにならないって決めてたミスティさんはスティルハートさんを好きになって自分の世界に色が戻ったって。その時は片思いだったみたいなんだけど…あ、教えてれたのがパーティーの時だからそうなるのかな?あの時スティルハートさん別の女の人と居たもんね。」
(ステラか…子供にはそう見えるのか。)
「スティルハートさんだってもうその時ミスティさんの事好きだったんでしょ?仕事だと何でも分かるのに自分の事だとミスティさん鈍いから…」
「……。」
自分達はあんなにすれ違ったのに、アリス様のような子供に諭されるとは。レインは少し情けなくなった。
「でもお互いの気持ちが伝わったのなら良かった…ミスティさん、死ぬ前にちゃんとスティルハートさんと恋人になれたってことだよね?」
「はい。俺は今でもミスティを愛しています。」
「そうなんだ///…良いなぁ。私もそういう人が出来るかな?」
「アリス様は素敵な女性ですからきっと。」
「有難う。」
フフっと笑うアリスにレインはホッとした。
「…スティルハートさん、私が言うのもあれなんだけど…あんまり自分を責めないで。」
アリスの言葉にレインは驚いた。
「ミスティさん、スティルハートさんには笑って欲しいって言ってた。仕事顔も素敵だけど笑いかけてくれる顔が何倍もカッコイイって惚気けてた♪」
(アイツ…アリス様に何言ってんだ?)
「私のお姉さんみたいな人だった。幸せになって欲しかったのにな。だからスティルハートさん…ミスティさんの事忘れないであげて?」