【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第40章 感傷
「だってミスティさん強くて頭も良くて仕事出来るけど寂しがり屋だから…」
「…っ!大丈夫です。忘れません。と言うか忘れる事なんて出来ない…」
「良かった!」
アリスは安心したのか最後にちゃんと笑った。
──
レインはアリスと共に夫妻の元へ行き挨拶をすると屋敷を後にした。
レインを慕いミスティを家族のように思ってくれていたアリス達。そんな彼等に自分の言葉でミスティの事を伝える事が出来たレインは他にも話しておかねばならない者達の事を思い、そろそろ自分の中で色々整理しなければならないと感じた。
「戻ったらコリン達にも話さなきゃな…」
(ミスティに何があって、ミスティが何者なのか…)
港に向かう為、街中を歩きながら考えていたレインはパンツのポケットに特有の振動を感じた。
プルプルプル…
謹慎中だが持ち歩いていた子電伝虫が着信を知らせていた。
「誰だ…コリンか?」
謹慎中のレインに掛けてくる者は一部の者に限られる。路地裏に入り用心して出た。
「…っ!?」
レインは話が終わると溜息を吐いた。
「コリン達よりこっちの方が厄介だな…」
そう呟くと目的の場所へ急ぐ為に港へ走った。
──
「どうだった?」
「あぁ、彼?酷く感傷に浸っているようだったけど…」
「話聞けるんだろうな?」
「大丈夫だと思うわ。ミスティが絡んでいるんだもの。」
「まぁいい。俺とお前で行く。他の奴らは目立つからな。」
「了解。」
部屋を出て行った男の背中にそう伝える女。
「懐かしいわね…何年ぶりかしら。レイン。」
女はメガネをクイッと上げ口元に笑みを浮かべた。