【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第36章 信じた正義の行末
※ルッチ視点
数日前、あのカレンとかいう給仕から聞かされたミスティの秘密と思い。俺はその事で頭がいっぱいだった。
「……。」
クルッポー…
俺の手の上をピョンピョンと行ったり来たりしているハットリをボーっと眺めているとカリファが部屋に入ってきた。
「退院の日、明日に決まったわよ。」
「そうか…」
買い出しに行ってきたのか退院用の服を渡された。そのままカリファは椅子に腰を下ろし俺に言った。
「ミスティの事、考えてた?」
「……。」
「あの子、まだ20歳よ?こんなのって…」
「諜報部員なら避けては通れない。それはアイツも分かっていただろう。」
「そうだけど!…たった1人でこんな所に来て挙句1人で死ぬなんて…」
カリファの言おうとしている事は何となく分かる。俺たちの中で最年少だったミスティ。俺は思い出した様に呟いた。
「俺が最後にアイツに会った時、お前が本当の姉だったら良かったと言っていた。」
「!!」
カリファは驚いた顔をしその後破顔した。俺は驚いた。気の強いカリファが嗚咽を伴い涙をボロボロ流している。
「……っ!うっ…」
俺はドアの外に居るであろう他の奴らにも聞こえる声で言った。
「間違いなくアイツも…ミスティもCP9のメンバーだった。」
窓から心地よい風がサァーっと通り抜けた。
──
次の日、俺は無事退院の日を迎えた。
「皆様、どうかお気をつけて。」
元給仕の女に見送られ俺達は病院を後にした。
特に行く宛てもない俺達は誰が言い出したのかボーリング場に来ていた。ストレス発散の為だったようだが先程から破壊行為が目に余る。まぁ、皆が笑っているから良いか。
ふと俺は思いついた事があり、隣でスコアをつけていたカクに声を掛けた。
「おい、船一隻何とかなるか?」
「船じゃと?ここはガレーラのような造船所は無いし第一金がないじゃろ?」
「……。」
強奪しかないか、と物騒な事を考えていると怪我をした一般市民が駆け込んできた。どうやら海賊が攻めて来たようだ。
「行くぞ。」
俺は皆を引き連れ海賊退治に向かった。案の定、立派な船を有している海賊だった。名をキャンディー海賊団。
久しぶりの運動にはなったし船も手に入れた。追われている身である事から早々に船に乗り込みセント・ポプラを後にした。