【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第36章 信じた正義の行末
※カレン視点
「私がミスティ様にお仕えした期間は3年足らずでしたが私の大切な思い出にございます。」
私はミスティ様にお仕えしてからの事、ミスティ様のひととなりをお話した。
「聡明で強く芯のあるお方で任務も淡々とこなされていましたが、生死に関わる怪我をされた時は心臓が止まるかと思い、ミスティ様が目を覚まされる迄は生きた心地がしませんでした。」
私は昔の記憶に思いを馳せながらお話した。
「あの一件以来、ミスティ様は海軍からの要請をお受けになる事が増えたように思います。」
「海軍…」
「…一給仕の私が口出しする事では有りませんが今だけお許し下さい。スパンダム長官は海軍大将青雉殿から要請だった事もあり断れなかった。あの日…任務に発たれるミスティ様は私にお遣いを頼まれました。今回の任務は危険だから怪我するかもしれない。3ヶ月程したら薬を買って来て欲しいと。」
あの時、ミスティ様は私を心配させまいと言った冗談だと思ったのに…
「言いつけ通り私は指定された此処へ赴き医師を訪ねました。すると医師からは待っていたと言わんばかりの歓迎をされ戸惑う私はそこで初めて聞かされました。」
ミスティ様は何もかもお決めになられていたのです。あの時、自分の身に起ころうとしていることを悟っていた…
「お遣い等は方便で全ては私をこの病院で働かせる為。」
── 私、医療の勉強がしたくて
── 私に医療の知識があったらもっと母にしてやれた事があったと思うから
母を亡くし医療の勉強をしたいと私が思っていた事を覚えていたミスティ様。そして、セント・ポプラのような素敵な町に住んでみたいと言った事を叶える為に此処で働く道を用意してくれた。
「医師からは数ヶ月前に綺麗な女性が訪ねてきて大金を渡されたとのことでした。数ヵ月後に此処を訪ねてくる女性に医療の勉強をさせて欲しい、医療人として育てて欲しいと。」
あのお金はミスティ様がCP9として任務をこなしてきた報酬の全て。それを身内でもない私の為に…
「ですから先日、町で皆様をお見かけしいても立っても居られずお声を掛けてしまいました。」
「何故その時だったか分かるか?」
静かに聞いていたCP9のリーダーが言った。やはり避けては通れないようです…
──ミスティ様