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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第34章 今、思うこと


──半年前 ウォーターセブン

カラン…

グラスの中の氷を指でつつき中の液体を一気に呷った俺は、ベッドの背もたれに身体を預け隣で眠る女に目をやった。余程疲れたのかスースーと寝息を立て起きる様子は無さそうだ。

先程までの俺との行為で身体中に散らばった華が女の元々の色気を更に際立たせていた。目にかかる髪に触れていると先程これでもかと欲を吐き出した身体に再び熱が集まってきた。

「女を抱いてこんなに満たされたのは初めてだ…」

思わず口にした本音に自分で驚き、ベッドから降り窓辺に移動した。俺と此奴は恋人でも何でもない。強いて言うなら上司と部下になるのか。空になったグラスに度数の高い酒を注ぎ今度は少しずつ口にしていると声がした。

「…今、何考えているの?」

振り返ると眠そうな目を擦りながら胸元を隠し半身を起こした女が此方を見ていた。

「…任務。」

「そう…」

女が少し寂しそうに呟いた。

「諜報部員なら当然だ。任務中に他の事を考えるなど有り得ない。」

CP9として俺が最もなことを言うと女がポツリポツリ言葉を紡ぐ。

「私は色々考えてる。カリファさんがホントの姉だったら良いなとか、ジャブラの恋が上手くいくと良いな、とか。」

「…くだらん。」

この女、そんな事を考えているのか。そんなだから…

「今だって…貴方の事を考えてる。」

「……。」

「さっきの…私とのセックス、何も感じなかった?…任務の事だけ?」

「……。」

先程迄のセックスはその場の流れだ。別にお互い好意があって抱き合った訳じゃ無ェ。

「お前は違うのか?」

「私は…嫌じゃなかった。貴方に求められてる気がして…嬉しかった。」

「っ!?」

「…でも勘違いだったみたいね。」

女はそう言うとベッドに潜り込み俺に背を向けた。俺はベッドに歩み寄り女の肩を掴み上を向かせ覆い被さった。

「…俺はお前を信用しちゃいねェ。」

女の目が揺れた。

「ならもっと私を知って…あと、貴方の事もっと教えて?」

俺は手に持ったままだったグラスの中身を呷り空のグラスを投げ捨てた。暇になった手で女の顎を掴むと唇を合わせ酒を流し込みながら舌を絡めた。俺の背中に回された女の手の爪が背中の古傷にくい込んだ。心地良い痛みを感じながら俺は再び快楽に沈んだ。


──抱き合えばお互いが分かるのか?なぁ、ミスティ
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