第34章 今、思うこと

──＂ためらいの橋＂支柱内部 ルッチVSルフィ


「おおォッ！！！」

ヒュッ

「指銃＂黄蓮＂」

ドドッ！！！

俺の六式で吹っ飛んだ麦わらの代わりにフランキーが挑んできたが…コイツじゃ話にならん。フクロウを破ってここへ来たようだが。

「俺の道力は奴の5倍だ」

ドンッ！！

「フクロウを倒せたのは見事だ。お前も充分超人の域にいる。だが…死ね」

トドメを刺そうとした時、麦わらの技が今迄の比じゃない速さで繰り出された。

「＂ゴムゴムの＂…＂JET銃＂っ！！！」

ドッカァァンッ！！！

やはりこの姿でなければ無理か。人獣型に姿を変えた俺は麦わらの異変に気付いた。

「随分息が上がっている様だが…！！その蒸気のせいじゃないか？」

シューと身体から蒸気を出す麦わらを見て言った。

「お前に勝てればそれでいい！！！」

「成程…手強いな」

──

戦い始めてどの位経っただろうか。俺も麦わらも息がだいぶ上がっている。

「…成程な…ハァ…つまり＂ドーピング＂の様なものか…」

俺が麦わらの技のカラクリについて仮説を伝え自分の命を削る事は利口ではないと助言した。

「目の前で色んな物を失うよりマシだ！！！やれる事は全部やってやる！！！」

…目の前か。俺もそうだったら守れたのだろうか。いや…違うな。

「お前は全てを望みすぎている！！！」

もうすぐバスターコールが始まる。回避は不可能。皆死ぬ。

──

支柱内部の中でも海上にあたる場所へ戦場を移した。他の海賊達は流れ込んだ海水に呑まれ海の底に沈む。

「助けに行きたければ行くがいい…」

「…俺はお前から目を離さねェ。」

「！？」

「あいつらは今どんな目に遭ってようと必ず生き残る！！！でもお前をここで逃がしたら…！！お前は仲間達を殺しに行く！！俺はお前から目を離さねェ！！！」

「中々のボスの器…どっかのバカに聞かせてやりたいもんだ」

そうであればアイツも…

だが…

「指銃！！！嵐脚＂豹尾＂！！！」

ゴムの身体を駆使し技を繰り出してくるが俺の鉄塊＂空木＂のカウンターをくらった麦わらが更に新しい技を繰り出して来た。

「＂ギア3＂」

（…意識が飛びそうだ。このまま…海へ落ちるわけには…）

巨人の様に膨れた拳を鉄塊で受けたが予想以上の威力で俺の身体は塔の外壁諸共、海へ吹っ飛んだ。