【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第34章 今、思うこと
──数時間前
「お久しぶりで長官。」
「よく帰った!!!ルッチ、カク、ブルーノ、カリファ。」
「セクハラです。」
「名前呼んだだけで!!?」
エニエス・ロビーに帰還した俺達を迎えた使えねぇ上司が白々しい労いの言葉を掛けてきた。
「8年前のウォーターセブンで起きた政府役人への暴行事件により罪人"カティ・フラム"、20年前の"西の海"オハラで起きた海軍戦艦襲撃事件における罪人"ニコ・ロビン"、滞りなく連行完了至しました。現在、扉の向こうに。」
俺が用件を伝えるとジャブラが絡んできた。面倒臭ェと思っていた所にフクロウが道力を測る為に手合せを仕掛けてきた。計測の結果に納得しないジャブラがカクと俺に再び絡んできたがポンコツの上司の掛け離れた弱さによりその場は収まった…はずだ。
そんな上司が俺達に言った。
「……ともあれお前達。5年の任務、実にご苦労だった…後で渡してェ物があるんだが…とりあえず会わせてくれ…!!全世界の"希望"に!!!」
俺にはその前に確認しなければならない事があった。
「その前に…1人足りませんが俺の記憶違いですか?」
「!!」
俺の投げ掛けにカクやカリファは勿論、ジャブラやフクロウ達エニエス・ロビーに残っていたメンバーも知らないのか皆の視線が目の前の上司に一斉に注がれた。
「あ、いや~…その…」
「長官、あの子は何処ですか?」
歯切れの悪い上司にカリファが畳み掛ける。任務に加わる予定だったアイツがこの場に居ないのは不自然だと言わんばかりの目を皆が向ける為、耐え切れなくなった上司が漸く口を開いた。
「アイツは…ミスティは…死んだ。」
「「「「「「なっ!?」」」」」」
「……。」
思ったより驚かなかった自分自身に驚いた。理由を問い質す此奴等とは違い俺は何処かでそんな気がしていたからかもしれない。
「俺も経緯は知らねェ!俺に分かるのは大将青雉殿からの直々の命で就いた任務で死んだって事だけだ!」
大将…何故海軍がCP9のアイツに?まさか…思い当たる事はあるし気になる事は山程あるが俺達には今それより優先すべき任務がある。俺は気持ちを切り替えた。
「分かりました。」
「ルッチ!?」
「俺達には今やらねばならない任務があるだろ?それ以外の事は後にしろ。」
騒ぐ皆を黙らせ扉を開けた。
これが、希望ね──
