【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第30章 誤算と裏切り
「今回の件、世界政府も海軍も想定の範囲だ。お前は駒として利用されたんだよ!」
『!?』
激痛と失血で飛びそうな意識を何とか繋いでいたミスティは明かされた真実が理解出来なかった。
「世界政府は俺に手出しは出来ねぇ。海軍は自分達の正義を通すだけ。分かるか?どちらも自分達の腹が痛まないようお前を選んだ。」
『な…ぜ、わた…し…』
「革命軍と言えば分かるか?」
(何故それを?)
「やはりそうか。経緯は知らねぇがそれを知った海軍は思いついた。スパイにスパイをさせようとな。約束通り情報を持ち帰れば処遇を検討、死ねばそれで終わり。まぁどちらにせよ俺との関係を隠したい世界政府によってお前はどうせ殺される。つまり、お前は此処に来ることを決めた時点で死ぬ事が決まっていたんだよ!」
ミスティは声にならなかった。霞む意識では悔しさや悲しみを感じる程考える力は残っていなかったが目からは自然と涙が零れた。
「絶望したか?世界政府も海軍もお前なんか死んでもお構い無しさ。革命軍もそうだ。お前を1度でも助けに来たか?見捨てられたんだよ!諜報部員ってのは所詮そんなもんだ!」
さて…と言いドフラミンゴはミスティの左胸辺りに手を翳した。
「お前が死ぬ理由が分かっただろ?そろそろ時間切れだ。」
右肩と左脚を撃ち抜かれたミスティは利き手と軸足を失った事で指銃と嵐脚は使えない。もうダメだと思ったその時──
──バァァン
「ねぇ~ドフィ~!!」
「あぁ?」
(っ!!)
ミスティは力を振り絞り左手で自身を拘束しているドフラミンゴの左手に一撃を放ち同時に剥き出しの腹に右脚で蹴りを入れた。そして、その衝撃を利用し背面のヒビの入ったガラスに体当たりした。
「くっ!」
バリバリ…パリーン
支えを失ったミスティの身体は音を立て砕け散ったガラスの破片と共に窓から落ちていった。
「あれれ?何か邪魔だった~?」
「くそっ…どうした?トレーボル。」
「んねぇーそれよりも落ちていった奴、大丈夫~?」
「あぁ、あの女は二重スパイだ。直に死ぬ。下っ端共に死体だけ確認させろ。」
ドフラミンゴは仕留め損なったミスティの始末は下っ端に任せトレーボルに追加で指示を出し部屋を出て行った。
「興醒めだ。ヴァイオレットに俺の部屋に来るように伝えろ。」