【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第30章 誤算と裏切り
『なっ!?』
任務でも顔が割れ難いミスティはドフラミンゴが自分の正体に気付いていた事に酷く動揺した。
「弾糸」
『しまっ…う゛っ!?』
冷静さを欠いた事で見聞色の覇気の精度が落ちドフラミンゴの手から放たれた攻撃を避けきれず右肩と左太腿を貫かれた。
「さっきのドレスよりその服がやはり似合うな、諜報部員にはよ!」
『はぁ…はぁ…くっ!』
「海軍もまさかCP9を送り込んで来るとはなぁ。自分達の立場を分かってねぇ。」
『どういうっ…意味?』
「自分達が力を持ってると思っているようだが脆い組織だ。俺の部下が簡単に潜り込める程にな!」
(そんな!この任務は極一部の者しか知らない筈。潜り込むって…まさかかなり上の立場の人間なの!?)
「それで?お前は何を掴んだ?オモチャの兵隊と仲良くしてるみてぇだが…」
『っ!?』
(私の事がバレるのはもうこの際仕方ない。だけど兵隊さん達の作戦がバレる訳にはいかない!あの人達の8年が無駄になっちゃう!)
「どうした?」
ミスティは痛みを堪えながら兵隊達を守る為に必死に頭を動かした。
『何人もの海兵達が…はぁ…この国で消息を断った…その者達を助ける為に此処に来た。兵隊を含め…オモチャ達が知っていそうだったが口を割らなかった。はぁ…海兵達は何処だ?』
息を切らしながらミスティはドフラミンゴを睨みつけ言った。
「お前バカか?あんな屑共の為にお前程の諜報部員が命をかけるなんざ…くだらねぇ。」
ドフラミンゴは吐き捨てるように言った。
「セレナ、俺のファミリーに入りその力を俺の為に使え。そうすれば俺もお前を殺らずに済む。」
そう言いドフラミンゴはゆっくりミスティに近付き顎を掴んで上を向かせた。
『断るっ!…私はCPだ』
「CPねぇ、本当にそうなのか?…まぁ、いい。」
ドフラミンゴは掴んでいた顎を離しドンとミスティを突き飛ばした。
「交渉決裂だ。五色糸(ゴシキート)!」
ドフラミンゴの指先から放たれた5本の糸がミスティの身体を引き裂いた。
『きゃあぁぁっ!!』
勢いで窓ガラスに叩きつけられその衝撃で窓ガラスに蜘蛛の巣状のヒビが入った。ドフラミンゴはミスティの首を掴み押し付けた。
「お前は此処で死ぬ。だが、その前に良い事を教えてやる。」
『ぐっ…なに、を…』