【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第30章 誤算と裏切り
(ドフラミンゴが私を連れて来た目的が分からない…)
ミスティは指を動かしながら頭ではこれからの立ち回りを必死に考えていた。
(私の正体に気付いているのか?)
「おい。」
(何とか切り抜けないと…)
「おい!」
『えっ!?』
ミスティは考える事に必死で強めに呼ばれて漸くドフラミンゴが傍に来ていた事が分かった。
「お前、別の事を考えていたな?」
『いぇ、その…国王様とこのような距離でお話するのは初めてで。緊張してしまって…申し訳ございません。』
「ふっ、そうか。続けろ。」
誤魔化せたのか心配になりながらも演奏を続けるミスティ。そろそろ曲が終わる頃だ、と考えているとミスティの首筋に後ろからドフラミンゴの右手が触れた。
『っ!』
ピクっと反応したミスティを無視し手は鎖骨を掠め大きく開いた胸元へ伸びた。
『んっ…!』
大きな手はピアノを弾くミスティを他所に胸元を弄る。
『こ、国王様っ、お止め下さいっ…』
ミスティが抵抗するとドフラミンゴは空いていた左手でドレスの上から胸を鷲掴みした。
『いっ!!』
椅子に座った状態で後ろから攻められミスティは抵抗出来ずされるがままの状態だ。
「イイもん持ってるじゃねぇか!セレナちゃんよ~」
ドフラミンゴはそう言うとミスティの首筋に後ろから吸い付いた。ビクッと身体を揺らすミスティに気分を良くしその行動はエスカレートしていく。
(まずい、このドレスじゃ動けない…っ)
──ガタンッ
急に立たされたミスティは腕を捕まれベッドに乱暴に放り投げられた。
『きゃっ!』
「そのドレスじゃ駄目だ。これに着替えろ。」
バサッと黒い服を投げられた。ドフラミンゴの意図が分からなかったが今は従うしか無い。この状況で敵に背を向ける等ご法度だがミスティはドフラミンゴに背を向け与えられた服を身に付けた。
「ほぉ…イイじゃねぇか!堪んねぇな!」
黒い革のボディスーツを身に纏い臍辺りから始まるファスナーを一気に締め上げるミスティを見たドフラミンゴは一瞬でミスティを押し倒した。
(全く見えなかった!?)
『…何のおつもりですか?』
「その強情さ、いつまでもつかな?」
不気味な笑いと共にドフラミンゴはミスティの胸元に顔を埋めた。