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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第29章 海賊が治める国


『レインの為にか…』

海軍本部で青雉に言われた言葉を思い出して反芻した。アリス様の件を調べるうちにその根深さを知ったレインは危険な任務になる事が分かっていた為あの場で真っ先に抗議した。ミスティはそれが嬉しかった。だが、彼女は組織の諜報部員。やらなければならない。

『あの人の為にも必ず情報を得る。』

ミスティは自身に言い聞かせるように呟いた。

『待っててね…レイン。』

ミスティは愛しい恋人の顔を思い浮かべながら眠りに落ちた。

──

「…ミスティ?」

執務室で仕事をしていたレインは愛しい恋人に呼ばれた気がして思わずその名を口にした。

「……。」

聞こえる筈がない。此処からどれだけ離れている所に居ると思っているのだ、とレインは自身に言い聞かせた。

ミスティが発ってから2週間が経過した。彼女の任務はドレスローザへの潜入調査。危険過ぎる任務に就かせてしまった己を呪った。ミスティはレインの為に引き受けたようなものだ。

レインがドンキホーテ・ドフラミンゴへ疑いを持ったのは自然な流れだった。だが、相手が王下七武海でありその名に恥じぬ力を持っている事で中々上手く事が進まずに居た。まさか、自分達の上が決めた事で自分達の首を締めることになるとは…

加えて海軍だ。かなりの犠牲が出ている事に耐えかねた海軍がまさかCP9のミスティに目をつけるとはレインも予想していなかった。

(ミスティは確かに優秀だと思う。だが、それだけの理由でアイツを選ぶだろうか。別の理由があるのか…?)

「ミスティ…お前は俺が守る。」

自分の恋人が海軍や政府に利用されるのはごめんだとレインは思った。万が一、そんな事になれば自分がミスティを守ると誓った。

「早く戻って来て抱き締めさせろ。」

レインは異国の地で任務に就く恋人に思いを馳せた。
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