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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第28章 大参謀つる


※レイン視点

海軍本部に呼ばれることは初めてではないし、俺とクザンさんとの仲を考えれば珍しい事ではない。だが、今回はミスティにも用があると事前に言われていた為、その件について気にはなっていた。アイツも不安だっただろう。そして海軍本部に着いて早々に俺とアイツの不安は的中した。一旦話を終え、クザンさんは俺と2人で話があると言いミスティに席を外させた。

伝えられた任務内容に俺は抗議した。加えて用意周到な海軍大将のやり方に納得出来なかった。

「ですがっ…!!」

「レイン!お前の"部下を心配する気持ち"は分かる。だがな、お前も上に立つ人間だ。時には非情にならねぇとこの先潰れるぞ。」

良く聞く台詞だ。上に立つ人間は時に非情にならねばならない、と。俺もそう思わない訳では無い。だが、何故アイツなんだ。俺がそう思っていると見透かしたように言われた。

「それとも彼女がお前にとって特別な存在だからか?」

「っ…!!」

「なら尚更頭を冷やせ。」

俺は何も言えなかった。

──

クザンさんの部屋を出た俺はミスティが見当たらない事に気付いた。アイツは此処に来るのは初めての筈だ。

「何処行った?」

「案内してやるよ。」

振り返るとクザンさんが立っていた。俺は黙ってついて行った。

案内された場所はおつるさんの執務室だった。ミスティが何故大参謀と呼ばれる中将つるの所に居るのか。この人が仕向けたのか…俺はクザンさんを睨みつけた。

「おいおい、そう睨むなよ。ミスティちゃんの話をしたら話がしたそうだったからそうしただけだよ~」

大参謀が動くのなら何かある。俺は大きく息を吐き扉を叩き中に入った。

「レイン、遅かったね。」

「そちらの大将が中々解放してくれなかったもので。」

俺を足止めしていたのかと今ならそう思う。ミスティをおつるさんに会わせる為に。ミスティの様子を見るに酷い仕打ち等はされていないようだ。ミスティを連れて帰ろうとした時におつるさんが俺に言った。

「ミスティの事、頼んだよ。」

ミスティは驚いているようだったが俺には何となくおつるさんの言いたい事が分かった。意図を汲み取るように俺は言った。

「言われなくてもそのつもりです。」

ミスティの腰に手を回したまま俺は部屋を出て迎えの船に向かった。
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