【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第27章 海軍の御用Ⅱ
海兵達はまさか客人が政府の役人だとは思っていなかった。加えて政府の役人の中でも有名人の2人だったとは…。
「クザンさん、それならそうと最初に教えて下さい。心臓に悪いです。」
「あー悪い悪い。まぁでも間違いなく2人を連れて来たんだから良いじゃない。」
(((((クザンさんっ!!)))))
海兵達は心の中で自分達の上司を挙って非難した。
「じゃあ2人共行くよ~」
クザンの呼び掛けにレインとミスティは頷いた。
『乗せて頂き有難うございました。』
お礼を言われた海兵達は皆が一律に目をハートにした。そんな様子をレインは面白くなさそうに見ながら指をパチンと鳴らした。するとどこからともなく1羽のハヤブサが舞い降りレインの肩に止まった。
「キッ、キッ」
「カルロス、助かった。ありがとな。」
「キッ」
レインに頭を撫でられカルロスと呼ばれたハヤブサは嬉しそうにレインに頬擦りをし飛び立って行った。
『まさかあの子に?』
「あぁ。速いし賢いし何より信頼出来る。」
ミスティは成程と関心した。休暇で仕事着が無かった2人であったがその服をレインは今日用意していた。海上で荷物の受渡し等は通常船でしか考えられない。取引と違い一方的に後から持ってこさせる状況は海上なら追いつく事は不可能。だが世界最速と言われるハヤブサなら可能だ。水平飛行の速さだけならツバメでも代用出来そうだが荷物となると脚力も兼ね備えたハヤブサの右に出るものは居ないか、とミスティが分析していると先を行こうとするレインに声を掛けられた。
「今度お前にもちゃんと紹介する。行くぞ。」
『あ、はい!』
ミスティは小走りでレインの後について行った。
──
クザンに連れられ2人が去った港では海兵達がざわついていた。
「まさかあの二人がCPだったとはな…」
「しかも唯のCPじゃねぇ…六式使いだろ?」
「あの小柄で華奢な女がCP9だとは。」
2人の正体に話題が向く中…
「観光客カップルだと思って同室に案内したけどまずかったよな?」
「クザンさんに知れたらまずいよなぁ…」
「いや恋人だろ?同室で何も言わなかったし。」
「間違いなくヤッてる。もし未遂なら男として疑うな。」
「確かにな。あんな良い女目の前にして我慢出来るとかどこの聖人君子だよ」
話題が尽きない2人だった。