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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第26章 恋人との休暇


それから2人はホテルの部屋で朝食をとり紅茶を飲みながら穏やかな時間を過ごした。

コンコン──

「俺が出る。」

出ようとするミスティにレインは自分が出ると伝えた。

「失礼します。仰せの物をお持ちしました。」

「あぁ、悪いな。助かった。」

「兄ちゃんの頼み事だからね!姉ちゃんは?」

訪問者はカイのようだった。レインがカイを連れ部屋に戻って来た。

「姉ちゃん、顔色良いな!安心した!」

『有難う。カイ。』

「元気になったなら今日は天気も良いから色々見て回ると良いよ!2人共まだ殆ど見てないでしょ?」

「あぁ。」

「なら此処とか此処とか…」

地図を広げながら楽しそうに話すカイを見て2人は自然と笑みが零れた。貧困から働かざるを得ない現状を不幸だと感じさせないカイの明るさに、政府の役人として、大人として救われた気がした。

──

「お客様、どれもお似合いですね♪」

『はぁ…そうですか?』

現在ミスティは着せ替え人形状態だった。レインと2人で街をブラブラし食事をしたりウィンドウショッピングで満足していたミスティだったがどうせならとレインに勧められ入店したのが間違いだった。入ってきた2人を見た店員達は目を輝かせ試着を勧めて来た。最初は断っていたが熱意に負け今に至る。

「でも今お召のワンピースが素敵すぎてどれも霞んじゃいますね。」

(あ…)

ミスティは今自分が着ているワンピースを見つめた。ノースリーブのスタンドカラー、裾は長めで花のカットワークが大胆だが上品なワンピース。そして色は白。

「お客様の為に作られたよう…ホントにお似合いです!」

『…有難うございます。』

ミスティは少し離れた所で複数の店員にマシンガントークを課せられているレインを見つめた。

ミスティが今着ているワンピースはレインからプレゼントされたものだった。

"お前の服ダメにして悪かった"

昨夜、ルッチへの嫉妬で無理矢理ミスティを抱いた際に服をダメにしてしまった事への償いで渡されたもの。カイからコソッと聞いた所によるとホテル併設の店で1人でかなり考え込んでいたようだ。部屋で寝ているミスティが心配なレインは包装等が待てずカイに届けるよう頼み部屋に戻ったとのこと。

『有難う…レイン。大切にするね。』

小さな声で呟いた。
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