【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第26章 恋人との休暇
「それで良かったのか?」
『十分過ぎます…嬉しい。』
歩きながらレインに聞かれミスティは自分の耳に収まるピアスに触れながら答えた。
先程の店で沢山試着したが白いワンピースにはどれも適わなかった。"レインから"という至極のブランド力がそうさせた。レインとしては折角2人で過ごす休暇という事もありプレゼントしたかった。謝罪等ではなく別の意味で。店内を見回しレインは思いついたようにミスティを呼んだ。傍に来たミスティの耳にそっとあてがいこれならどうかとレインは尋ねた。嬉しそうに目を輝かせたミスティに満足したレインは彼女に似合うデザインを選びプレゼントしたのだ。
「よく似合ってる。」
『…有難う///』
レインの腕を掴み肩口に顔を寄せるミスティにレインは歩きながら肩を抱き寄せた。
──
『カイの言う通り…ほんとに良い処。』
「そうだな。」
2人は街やビーチが一望出来る高台に来ていた。
『今まで色々見てきたけどこんな風に見えなかった。』
「俺もそうだ。あまり興味がなかったのもあるが任務が原因だろうな。」
レインは続けた。
「だがこんな島でもやはり貧困や海賊からの脅威はある。それらへの対応は俺達政府や海軍の役目だ。皆が選択を自由に出来るようにならなければいけない。」
そう話すレインの目に揺るぎない信念のような物を感じたミスティは思った。
(この人は政府に必要な人。立場は違うけど望む先は革命軍と同じ…)
『はい。』
水平線に沈む夕日を見つめミスティは答えた。
──
「風邪引くぞ。」
ホテルのバルコニーから夜空を見上げていたミスティの肩にブランケットが掛けられた。
『レイン…有難う。星が綺麗だったから。』
「星?」
見上げた空には満点の星が広がっていた。
『この光を放つ星はもう死んでる。でもこうやって必ず光は届く。人は死んでも生きた証は必ず残るのかしら…』
「ミスティ?」
『…えっ?あ、何でもないの。気にしないで。』
意味有りげに呟かれたミスティの言葉が引っかかったレインはミスティと向き合い言った。
「お前には俺が居る。だからどんな任務でも自分を犠牲にするな。必ず戻って来い。」
『レイン…うん。』
満点の星々に見守られながら2人は誓のように口付けを交わした。