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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第24章 黒と白


『私…婚約者が居たんです。』

そこまで遡るとは思っていなかったレインだったが、もしかしたらかなり根深いものかもしれないと思い、レインはミスティの固く握られている手に自分の手を添えた。

『親の決めた相手でしたが関わる内に好きになりました。その人と自由を求めてお互いの家を捨て海に出ました。』

レインにはミスティが心做しか笑ったように見えた。

『この人とずっと一緒に居たいって思って海に出るとか浅はかですよね?』

ミスティは自嘲気味に続けた。

『だから罰が当たりました。事故に遭って婚約者の記憶は失われ彼から私は消えました。』

「……。」

レインには分かっていた内容だが、ミスティ本人から自分に向けて発せられる一言一句を落とし込んでいた。

『彼の記憶は数年経っても戻りませんでした。彼と過ごした幸せな時間を私を忘れてしまった彼の時間が超えてしまった。』

「…ロゼ。」

『だから私は彼の元を去り、私の面倒を見てくれた恩人の為に強くなりCPに入る事にしました。こんな理由で今CPになっているなんて…貴方は幻滅しますよね?』

「いや。妬けた。」

『え…?』

ミスティはレインに幻滅されると思っていたのにレインからの即答に言葉が詰まった。

「お前が好きな男を忘れる為にCPに今居るなら俺は妬く。超絶に。」

添えられていた手にギュッと握られミスティの心臓はドクンと鳴った。

「CPは生半可では務まらない。特に俺やお前のような六式使いはそこら辺のCPではない。六式取得の為に血反吐が出る程鍛錬しただろ?少なくとも俺はそうだ。」

『はい…』

「厳しい鍛錬にも負けずお前をそこ迄突き動かしたのがその男なら其奴が羨ましいが。あ、あとその恩人にも。」

熱っぽい目を向けられミスティは焦った。

『…っ///』

「悪い。話が逸れた。続けてくれ。」

『あ、はい…将来を誓っても一瞬で崩れ去って悲しい思いをするなら好きになるのはやめようと。でも…』

「…でも?」

『私はまた人を好きになってしまった。その人には思いを伝えるつもりはありませんでした。でも…その、身を捧げた時に心も奪われてしまって…』

ミスティは蕩けそうな行為を思い出し顔が赤くなった。

『好きです。大好き。』




──なのに私は裏切った。レイン。
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