【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第24章 黒と白
ミスティはレインへの気持ちを言葉に込めた分、今から話す内容に不安しかなかった。
(今度こそ幻滅されるし嫌われてしまう…)
そう思いながらミスティは心のどこかで伝えて楽になりたいとも思っていた。ただでさえ秘密や嘘ばかりのミスティの存在。言えない事が多すぎる。でも自分の気持ちなら正直に伝える事が出来ると思いミスティは改めて言葉に気持ちを込めた。
『私は貴方のことが好きです。』
「お前…」
見つめ合ったままどちらも何も言わず静かな時間が2人の間に流れた。
『でも私は弱い人間だった…約束守れなかった。離れてしまった貴方との唯一の繋がりだったのに。』
ミスティはレインから顔を背けた。
「ロゼ、お前…」
『他の男と寝たの…私。』
可能性として考えていた事だったが本人の口から聞くと猛烈な嫉妬心がレインの中に生まれた。
『貴方を好きだと言いながら他の男と寝る女なの。貴方に合わす顔がないまま偶然パーティーで会って…私なんかより素敵な女性と居る貴方を見て苦しくなった。』
ミスティはあの時見た眩しい2人の姿を思い出した。自分のような汚れた人間等お呼びでないのだ。
『それで貴方を諦めようと思った矢先、あの人に会ってしまった。』
「…あの人?」
他の男と寝た事がミスティを悩ませている理由だと思っていたレインはそれ以外にもありそうな彼女の話し方に若干の肩透かしをくらった気分になったが、彼女から告げられた事実がレインの平静を奪った。
『私を忘れた男…』
「!!」
『偶然だったけどパーティー会場で…気持ちがぐちゃぐちゃだった私は彼に縋ろうとした。結果として私は彼の手を取らなかったけど気持ちが傾いた』
「……。」
『サイテーなんです。私。だから貴方となんて到底釣り合わないし傍に居ることすら憚られる。』
ミスティは自分の手を握っていたレインの手をそっと外した。
『貴方に優しくされると幸せだけど辛い。だから離れようと…』
「許さねぇ。」
『…っ!』
ミスティはレインの許さないという強い言葉と強い視線に目を逸らすことが出来なかった。
「勝手に悩んで勝手に決めんな、バカヤロー」
はぁっと盛大な溜息の後、レインはミスティの頬を優しく撫で言った。
「好きだ…ミスティ。」