【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第23章 トラブルメーカー
護衛を3人に任せる事に決め、アリス様達に謝罪したら反対に喜ばれた。
「またね!スティルハートさん。ミスティさんにも宜しく伝えてね!」
アリス様は俺がミスティに会う事が分かっているような口ぶりだ。夫妻も同様だった。
「今度は仕事抜きで2人で遊びに来なさい。」
「楽しみに待ってますよ!」
俺は頭を下げその場を離れ医務室に向かった。
──
「…出て行った?」
「そうなんだ。昨日、目が覚めたら出ていっちゃって。でも、傷は手当してあるよ。」
医者から聞かされた事実に目眩がした。俺がアリス様達の護衛中にミスティはホテルを去っていた。
「何か悩んでる様子だったから気にはなっていたんだけどね…」
「悩む?」
「勘だよ、勘。着ていた黒いドレスを褒めて白も似合うと思うって言ったら何か悲しそうでさ。そのまま出ていっちゃったんだ。」
俺は医者に礼を言いミスティを探すためにホテルを飛び出した。
──
探すと言ってもミスティの行き先等皆目検討がつかない。ただ、アイツは長期休暇を取っていると以前コリンが言っていた。休暇を利用して此処に来たのならアイツもホテルを取っている筈だ。俺は付近のホテルを片っ端から当たった。
世界政府の特権を悪用し行く先々のホテルで個人情報を調べさせたがこれと言って手掛かりが掴めない為、俺は焦りを感じた。今会えなければ一生会えない気がした。
「くそっ…何処行った?ミスティ…」
俺はミスティについて何も分かっていないし知らないもんだと改めて気付かされた。何が好きで何が嫌いか。何処に行きたいのか、何色が好きなのか。俺が知っている事と言えば、親の言いつけ通りに過ごした幼少期に、出会った婚約者と海に出て事故に遭い大切な人に忘れ去られたという事。ただ、これも本人から聞いた訳では無い。アイツがアリス様に話していた事だ。どれも薄っぺらい情報に嫌気がした。
「…ミスティ。」
──
一日中探し回ったが夜になっても見つける事が出来ずにいた。ホテルに戻る気にもなれず俺は海を一望できる高台からボーッと海を眺めた。
「…久しぶりだな。」
海をこんな風に見るのはアイツが傷を負い目を覚まさなかった時ぶりだ。あの時から俺の生活にアイツが要所で登場するようになった。
そんな思い出に浸っていると下の方から声がした。