【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第23章 トラブルメーカー
「僕が今から言おうとしてる事分かる?」
コリンの棘のある言葉に俺は無言で通した。
「…昨日の夜、何してたの?」
「言う必要があるのか?」
アリス様達の護衛を一晩中していたと告げれば、コリンの事だから俺の事を心配するに違いない。
「っ…!言わないってことはステラと寝たの?」
「は?」
話が見えない。何故俺がステラと寝なければならない。
「ステラはレン兄ぃが好きなんだよ?寝ればどうなるか分かるでしょ?だから僕は反対だったんだ。今回の同伴者をステラにするってことに!」
「ちょっと待て。何故俺がステラと寝たことになっている。」
「はぁ?レン兄ぃの部屋で下着姿で寝てたよ。ステラが。セツナも僕も見たから間違いない。」
頭痛がしてきた。大方ステラが俺の居ない間に部屋に入ったのだろう。俺が一晩中戻らない事も知らずに。
「はぁ…。俺は昨日アリス様達の護衛に就いていた。部屋には戻って居ないが。」
溜息を吐きコリンに告げるとコリンの顔色が変わった。
「え?ほんと?ほんとに本当?ステラと寝てない?エッチしてない?」
「あぁ。寝てねぇしセックスもしてねぇよ。」
俺はどうでも良い事を連呼され半ばヤケクソになり答えた。
「はぁー良かったー!!」
「コリン、お前。それで機嫌が悪かったのか?」
「当たり前じゃん。」
「なら解決だな。護衛は俺がやるからお前達は休暇を楽しめ。」
「いや、ステラとの事が誤解なら余計にその任務は僕達が引き受ける。3人でやればレン兄ぃ1人位の力にはなるでしょ?」
頑なに俺を外そうとするコリンに疑問しかない。
「何故俺を外そうとする?理由があるのか?」
「はぁ…レン兄ぃ。良いの?ここで別れて。」
遠回しなコリンの言い方に苛立ってきた俺を見かねコリンが続けた。
「ミスティ…良いの?久しぶりに会えたんでしょ?」
「…あぁ。」
「きっと今頃誤解してるし傷付いてると思うよ。ミスティはすぐ隠そうとするけど悲しそうだった。」
コリン、お前は俺よりもアイツの事分かってるな。
「正式な任務じゃないんだからさ。今はミスティの所に行ってよ。」
それに、とコリンが続ける。
「ミスティの事、本気ならちゃんと伝えてあげて。」
アイツと身体は重ねても気持ちに応えていない俺の傷を抉るには十分過ぎる言葉だった。