【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第22章 邂逅
用が終わったのなら早く戻って来いとコアラに怒鳴られているサボを見た時、ミスティは自分の知らない間に2人の絆が更に強くなったように感じた。
『…やっぱり戻れないよ、私。』
ドラゴンさんとの約束はもはや逃げる口実にしかなっていない。でもそれで良い。コアラと楽しそうに話すサボを見て、ミスティはCP9の自分に戻った。
会話を終えてこっちを振り返ったサボにミスティは告げた。
『私…任務に戻るね。気をつけて、サボ。』
先程までと雰囲気が変わったミスティにサボは違和感を覚えた。
「おい、セレナ!待てって!」
『私なら大丈夫!色々あって落ちてたけどもう大丈夫だから!』
「大丈夫な訳ないだろ?お前…何に潜入してるんだ?」
サボはずっと気になっている事を問いただした。
『何って…』
「俺にも言えないのか?」
世界政府。伝えてしまえばサボは尊敬するドラゴンさんに刃向かってでもミスティを今この時、迷わず連れ戻すだろう。強くて優しい彼の事だから。
『…ごめんなさい。言えない。』
「くそっ、何で隠すんだよ!仲間なのに!」
『仲間…私はサボにとって仲間なの?』
(思い出してよサボ!私はサボの仲間なんかじゃない!そんな大きな括りじゃないよ?私はサボの…)
「あぁ、そうだ!お前は俺達の仲間だろ?」
『俺達って…』
「セレナ、お前どうしたんだ?変だぞ!」
『変って何が?サボは私の何を知ってるの?』
サボの言っていることは分かるが、1日で色々あったミスティの気持ちはぐちゃぐちゃで抑える事が出来なかった。
『そんな関係なら要らない。』
「なっ!!」
『私には邪魔でしかない。』
「お前…っ!!」
サボが怒っている。嫌われたくない。でも仕方ない。これで諦めがつくのなら…
『コアラと仲良くね。さようなら。』
(本当にサヨナラだね。サボ。ごめんね。)
そう告げミスティは一方的にサボの前から姿を消した。
「セレナっ!!」
サボは叫んだが届かなかった。何でこんな事になった?ちょっと前まではセレナの奴、笑っていたのに。いや、泣いてもいたか…だが、それが何でこんな事に。
「くそっ!」
サボはどうする事も出来ない自分に苛立ち、ミスティとは反対の方へ歩き出した。
──セレナ、お前は俺に何を隠してるんだ?