• テキストサイズ

【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第22章 邂逅


会場に戻ったミスティはメインフロアに居ることに気が進まず、2階席に居た。此処であれば周りを気にせずアリスの演奏を見届ける事が出来ると思った。

『私、最低ね…』

レインに会えないからってルッチと寝て、会えたレインと上手くいかなくてサボに縋ろうとした。そしてそのサボさえも酷い言葉を浴びせ傷つけた。

こんな女になりたかった訳じゃない。何でこんな事になってしまったのか。

メインフロアを見下ろすとやはり目立つレインが目に入る。こんな時でもすぐ見つけてしまうのかと自嘲した。

『…表に出ることはもう無いから見納めかな。』

そう思い、ミスティはレインの姿を目に焼き付けた。

そうする内にアリスの演奏が始まった。

🎼.•*¨*•.¸¸🎶🎼.•*¨*•.¸¸🎶

談笑していたフロアの人間の目がアリスに向く。アリスはその視線を跳ね除けるような見事な演奏をしてみせた。

『アリス様…音、綺麗になりましたね。』

ミスティはそう呟き、拍手の湧く会場を去ろうと立ち上がった。

その時。

ギリギリという鈍い音がしている事に気付いた。ピアノの演奏で掻き消されていたのか。上層の方からする。メインフロアの人間には聞こえないのだろうか。

『何の音?』

ギリギリ…ブチッブチッ

『…まさか!?』

会場には大きなシャンデリアが幾つも設置されている。ミスティはシャンデリアを吊るしているワイヤーの基を辿った。

『間違いない!ワイヤーが切れる音!まずいっ…』

ガシャーン

1番後ろのシャンデリアが支えを失いメインフロアに落下した。音に驚き皆が後ろを見る。

「キャーっ!!」
「うわぁー!!」

その間も次々に落下していくシャンデリア。レイン達や海兵も気付いたようだ。招待客を逃がしながら落下するシャンデリアを六式や能力を使い支えたり破壊したりしてくれている。

だが、ホットしたのも束の間。メインステージの頭上には会場で最も大きく豪華な装飾の施されたシャンデリアが吊るされている。それもワイヤーが切れ傾いている。

『アリス様っ!!』

ピアノの近くに居たアリスは動けずにその場にしゃがみこんでいた。あの大きさが落下すればピアノごとアリスを押し潰してしまう。残りの1本が切れるのはあと秒の問題。

ブチッブチッ

『っ、間に合わない!』

「助けて!ミスティさん!」
/ 409ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp