【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第22章 邂逅
『凄い人ですね…』
「知り合いが主催のパーティーなんですよ。我々も招待を受けましてね。」
ミスティはアリスと夫妻と共にセレブレーションパーティーが催される豪華な会場に来ていた。会場は夫妻達が宿泊していたホテルの中に併設された施設で行われる。招待客はそれぞれホテルの部屋を主催者側から提供され宿泊出来るような仕組みになっていた。
(流石上流貴族のパーティーね。)
ミスティが幼い頃に連れていかれたパーティーの数々を思い出しているとアリスがミスティの服の裾を引っ張った。
「私、今日あそこのピアノで演奏をするのよ!いっぱい練習したの!ミスティさん、聴いててね!」
『えぇ、楽しみにしています。』
興奮して話すアリスにミスティは笑顔で答えた。嬉しそうに話すアリスを見て夫人がコソッと告げた。
「アリスったらミスティさんに教えて貰ってからピアノも勉強も楽しそうに取り組んでるんですよ?本当に有難うございます。」
『いぇ、私は何も…』
夫人が向ける笑顔にミスティは少し照れた。
「ロゼさん、我々は知り合いに挨拶してきます。アリスを頼めますか?」
『畏まりました。』
「アリス、良い子にしてるのよ?」
「はーい!」
夫妻と別れミスティはアリスと逸れないように手を繋ぎ、会場の入口付近でお喋りをしていた。
『アリス様、今日のドレスとても良くお似合いですね。おリボンも素敵です。』
「本当?このリボン、ドレスに合わせてお母様が作ってくれたの!」
ラベンダーのドレスに合わせた紫のリボンを指差しアリスが嬉しそうに答えた。
「ミスティさんもすっごく素敵♪」
ミスティは黒のパンツドレスに身を包み髪はサイドに寄せていた。ホルダーネックで丈も踝辺りまであるデザインで決して派手ではないし露出も少ない。だが、敢えて胸元や脚を隠すことで露出している肩や項から自然とミスティの持ち前の気品や色気を醸し出し、何より黒という色がミスティの薄い金色の髪を映えさせた。
『良かったです。浮いたらどうしようかと…』
「そんな事ない!すっごく綺麗!」
アリスにお礼を言おうと口を開き掛けたが、アリスの視線が別の所へ向いていたことに気づいた。
「あれ?あの方…」
アリスは急に駆け出した。
『アリス様っ!?』