• テキストサイズ

【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第22章 邂逅


※コリン視点

とうとう今日、この日がやって来てしまった。僕は朝から不機嫌だった。

そう、今日はセレブレーションパーティーの当日なのだ。CP8の管轄エリアの上流貴族のお祝い事で催されるパーティー。招待客は、当該貴族の関係者に始まり隣国の貴族から海軍や僕達世界政府の役人にまで及ぶ。

仕事ではない為、面倒ではあるが気は楽な筈なのに僕の心は穏やかでは居られない。原因は目の前の2人だ。

「はぁ♡レインさん、今日の恰好も素敵♡」

「……。」

祝いの席である為、レン兄ぃはいつものスーツではなく黒いシャツにグレイとシルバーの割合が絶妙のジャケットとパンツを合わせている。シルバーのネクタイが似合うのはレン兄ぃしか居ないと言わんばかりの完成度の高い出で立ちだ。

そして隣のステラ。張り切ってお洒落をしているのを見るにこの日が待ち遠しかったに違いない。白いタイトなデコルテを強調したマーメイド型のナイトドレス。裾には大胆なスリット。大ぶりのシルバーのアクセサリーが胸元や顔周りを華やかに飾り、レン兄ぃにしっかり絡められた腕の華奢さを際立たせていた。

レン兄ぃの意図ではないにせよ、シルバーを差し色に使いグレイと白の組み合わせ…

「結婚式かよ。」

「ホントにな。」

僕とセツナは残念ながらお似合いの2人に溜息を吐くしか出来なかった。

「おい、ステラ。あまりくっつくな。歩きにくい。」

「えー、私慣れないドレスで動きにくくて…」

絡めていた腕にギュッと力を込め胸を寄せるステラにレン兄ぃも引いているが突き放すことなく居るレン兄ぃにも沸々と怒りが沸いてくる。

「おい、コリン。落ち着け。」

セツナが腕をつついてきた。

「分かってるよ。」

僕は答えた。でも、ホントなら此処に居るのは僕が理想とする2人の姿だったのに…

「仕方ないだろう?ロゼさん、長期休暇なんだろ?」

「うん。」

そうなのだ。僕はあの日ミスティに頼もうとエニエス・ロビーへ連絡したら彼女は数日前から長期休暇で不在とのことだった。

「ミスティ休暇って…何処行っちゃったんだよ!」

僕は嘆き少し遅れて後ろを歩く2人にイラつき歩みを早めた。ホールの入口が見えた所で歩みをとめた。

「おい、コリン…」

「僕も思った。」

この時ばかりは血の気が引いたよ。






──ね、ミスティ?
/ 409ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp