【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第21章 会いたい人
──コンコン
『長官、宜しいですか?』
「おぉ、ミスティか!丁度良い!俺もお前に用があったんだ。」
朝一で休暇申請を申し出に来たミスティはスパンダムの発言に気分が一気に下降した。
『…ご用とは?』
「あぁ、1ヶ月の休暇だ!」
『は?』
「お前この所、休みろくに取ってなかっただろ?纏めて取って羽根伸ばしてこい。」
『有り難いお話ですが、一CPがそんなに長期で休みを取れば任務に支障が出ませんか?』
今のミスティにとってスパンダムの提案は有り難いものだが、長年諜報活動をして来た身としては当然気になる所だ。
「まぁ、確かに精鋭と言われるCP9には任務の要請が多い。ルッチ達4人が長期任務に就いている関係で、お前に皺寄せが来ていたのは否定出来んからな。気にするな!」
『…長官がまともで優しい』
「そういう事だ。明日から休め。」
思わず零れた独り言はスパンダムには聞こえなかったようだ。
『畏まりました。配慮頂き有難うございます。』
そう言うとミスティは長官室を後にした。
──パタン
扉が閉まるとスパンダムは思わず叫んだ。
「あー!!ミスティが1ヶ月も居ないんじゃ俺の仕事はどうなるんだー!!」
スパンダムはいつもの仕事の成果がミスティのフォローによるものだと認識はしていた為、思わず本音を漏らしてしまった。だが、それでもミスティに休みを与える必要がスパンダムにはあった。
「アイツらに半殺しにされるよりはマシか…」
今頃ウォーター・セブンで任務に励む4人を思いブルブルっと身を震わせた。
──
「ミスティもこれで休みがきちんと取れるわね♪」
「なんじゃカリファ。お前、長官を脅したのか?」
「あら、脅すなんて…私は一言添えた迄よ?ミスティがろくに休めてないようだけど疲れてぶっ倒れでもしたらルッチが長官をぶっ倒れさせますよ♡って」
「それが脅しでないなら何なんだ…」
カクとブルーノはやれやれといった感じだった。
「何故俺なんだ?」
「あら、貴方の大切な仔猫よ?当然でしょ?」
「…ちっ」
ルッチは舌打ちをし仕事に向かった。
「あのルッチがね…流石ミスティね。」
今のルッチの様子とルッチという単語に反応したミスティ。拗れなきゃ良いけどと願うカリファだった。