【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第21章 会いたい人
プルプルプル…
その日の夜、ミスティが明日こそ休暇取得の申請をスパンダムにしようと考えてると自室の電伝虫が鳴った。
プルプルプル…
『…珍しい。誰だろう?』
ミスティの番号を知っている者は限られているが、少ないその中でも誰からなのか予想がつかなかった。
ガチャ…
『はい…』
「あら、ミスティ…随分とお疲れのようね?」
電伝虫が眼鏡を掛けたお色気お姉さんの姿を模写した。
『カリファさん!』
「こんばんは。」
相手はウォーター・セブンに潜伏中のCP9の1人カリファだった。
『どうされたんですか?』
「どうもこうも貴方ウォーター・セブンに来てたんでしょ?知らせてくれれば一緒にランチでも出来たのに!」
『すみません…渡すだけの御遣いでしたし。それにガレーラカンパニーには近づけませんでした…』
「あぁ、まぁあれはね。でもルッチやブルーノには会ったんでしょ?ズルいわ、アイツらばっかり!どうせなら…」
ルッチと言う単語にピクっと反応してしまったミスティはしまったと思いカリファの電伝虫が鈍いことを祈った。
「……。」
『…カリファさん?』
「…貴方、大丈夫なの?」
『え、大丈夫ですよ?』
誤魔化すようにミスティは言った。
「休み、取れる時に申請してしっかりリフレッシュしなきゃ。この仕事は務まらないわよ?」
『はい。明日、長官にお願いする予定です。』
「あら、そうなの?じゃあリゾート地でも行ってきなさい?」
『リゾート地って…そんなに休み貰うつもりは無いですけど。それに一緒に行く人居ないですし。』
休息程度しか考えていなかったミスティは、カリファの意見に驚き素直な気持ちで答えた。
「何言ってるの!誰かと行ったら良い男が居ても声掛けて貰えないわよ?それともなぁに?彼氏の1人でも出来たの?」
『っ!!』
「え?そうなの?良いじゃない!ならその人に会いに行けば?」
『あの、いぇ、恋人ではないので…』
少しトーンが落ちたミスティの声に訳有なのかと悟ったカリファは続けた。
「恋人でなくとも会いたければ会いに行けば良いと思うわ。私はね。まぁ有意義な休暇を♪」
『有難うございます。カリファさん。』
そう伝えミスティは電伝虫を切った。
──会いたければ会いに行けば良い、か。