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【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった

第21章 会いたい人


「ミスティ様、紅茶どうぞ。」

『……。』

「ミスティ様、ケーキもありますよ。」

『……。』

「ミスティ様?」

『…え?カレン、どうしたの?』

一体全体どうしてしまったのかとカレンは思った。ウォーター・セブンから戻ってきたミスティは考え事をしているのかボーッとする事が多い。

「やはりお疲れなのではないですか?」

『ん?あぁ、大丈夫よ?ちょっと考え事…』

心配そうな目を向けるカレンにミスティは答えたが、そこで初めて目の前に用意されていたティーセットに気付いた。

『ごめんなさい。戴くわね。』

「お休み申請されましたか?」

カレンは以前、ミスティに念を押した休みの話を切り出した。

『うん、それね。帰ってきてからバタバタしてたから…明日にでも話してみるわ。』

「それなら良いですけど…」

カレンはミスティと同じケーキを食べながら少し不満そうに答えた。

──

カレンが去って1人になったミスティはまたボーッと外を眺めていた。

『……はぁ。』

ミスティは何度目かになるため息を吐いた。ウォーター・セブンから戻ってきてから胸に何かがつっかえたようにモヤモヤしてスッキリしない。原因はおそらくアレなので分かってはいるのだが。

『…約束守れなかった。』

レインに言われた言葉。隙を見せるな、と別れ際に拗ねた彼に言われた。

それなのにルッチと身体を重ねてしまった。信用を得る為とは言えその場の雰囲気に流されてしまった。傷に触れた唇は優しかった反面与えられる口付けは激しかった。抱きしめる腕は力強かったが優しかった。ルッチも自分もお互いを好きな訳では無いのだが、ルッチに求められた事が嬉しかったのかもしれない。そして何度も…

『っ/////』

ぼふっ

ミスティはあの時の映像を頭から消そうとベッドの枕に顔を押し付けた。

でも私は…

『…私はレインが好き。』

ミスティは会えない愛しい人を思った。

『レインが好きなの…』

ミスティは自分の好きな人はルッチではなくレインなのだと言い聞かせるように言葉にした。

好きだとは言われていないけど彼の事が気になる。会って抱き締めて貰いたい。名前を呼んで欲しい。無理だとは分かっていても願わずにはいられなかった。





──会いたい、レイン。
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