【ONE PIECE】私の居場所~アナタの隣に居たかった
第20章 水の都へ
※ルッチ視点
──ガチャ
ルッチは自室に戻り、抱いていたミスティをベッドに下ろしバスルームへ直行した。
ザー
シャワーから出る熱い湯に打たれながらルッチは昂る気持ちと自身を鎮めていた。
昼間──
「おい、ルッチ。お前、ミスティって女知ってるか?」
(何故パウリーがミスティを知っている?)
「…その女がどうかしたのか?」
俺の微妙な返しにパウリーは怪訝な顔で言った。
「さっきガレーラの表に居たんだよ。声掛けたらお前に用があるって言ってたがあの状況で無理だったんだろ。」
「それで、その後どうした?」
「帰った。まぁ、また…」
パウリーがまだ喋っていたが俺はその場を後にした。アイツが俺に用があるなら任務の事に決まっているが何となく、そう感じ追いかけるつもりで飛び出した。
市街地でベンチに座るアイツを見つけた時、柄にもなく見惚れた。1年半前に見た時と比べ女っぷりが格段に上がっている。服も任務の時とは違い濃い緑の涼し気なロングワンピースを着ていた。薄い金色の髪がよく映える色だった。
周りを見るとアイツを邪な目で見る輩が多いことに気付いた為、ベンチに向い声を掛けた。
人に見られるのは不味いのもあったが直ぐには帰したくなかった。敢えて手紙を受け取らず、夜、酒場で待つよう伝え別れた。
──
バスルームから出るとミスティが眠るベッドに腰掛けた。
「…コイツは不思議な女だ。」
"ルッチ…"
昼間アイツの口から紡がれる俺の名前に高揚した。俺にしか懐かないはずのハットリも初対面からコイツにだけは寄って行った。
『んっ…』
俺が悶々と考えているとミスティが目を覚ました。
『…ルッチ?』
寝起きで色気が半端ない。
「漸くお目覚めか。」
俺が皮肉を込め言うとミスティがまた聞く。
『ここは…』
「俺の部屋だ。」
『え!?』
そう言うと覚醒したのか急に慌てだした。
「すみません、私…何かしましたか?」
ただ寝ていただけだが恐らく俺の格好と肌蹴た自身の服を見て勘違いでもしているのか。
『えっと…あの』
「何もしていない。」
『あ、良かった…』
「まだな。」
ホッとするミスティに何故か静かな怒りと先程鎮めたはずの欲望が湧き、身体を起こしたミスティの腕を掴み再びベッドに沈めた。